俳 句 |
『おくのほそ道』 素龍清書原本 校訂 |
『新釈奥の細道』 |
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心もとなき日数重ぬるままに、 | 心もとなき日數かさなるまゝに | |
白河の関にかかりて、旅心定まりぬ。 | 白川のせきにかゝりて旅心定りぬ | |
「いかで都へ」と便り求めしも理なり。 | いかで都へと便り求めしもことわりや | |
なかにもこの関は三関の一にして、 | 中にも此關は三關の一にして | |
風騒の人、心をとどむ。 | 風騷の人心をとゝむ | |
秋風を耳に残し、紅葉をおもかげにして、 | 秋風を耳にのこし紅葉を俤にして | |
青葉のこずゑ、なほあはれなり。 | 靑葉の梢猶哀なり | |
卯の花の白妙に、茨の花の咲きそひて、 | 卯花の白妙に茨の花の咲そひて | |
雪にも越ゆる心地ぞする。 | 雪にもこゆる心地そする | |
古人冠を正し、衣装を改めしことなど、 | 古人冠を正し衣裝裳ノ誤也を改めし事など | |
清輔の筆にもとどめおかれしとぞ。 | 淸輔の筆にとゞめ置れしとぞ | |
♪ 13 |
卯の花を かざしに関の 晴れ着かな 曾良 | 卯花を かざしに關の 晴着哉 曾良 |