俳 句 |
『おくのほそ道』 素龍清書原本 校訂 |
『新釈奥の細道』 |
---|---|---|
曾良は腹を病みて、 | 曾良は腹をいたみて | |
伊勢の国長島といふ所にゆかりあれば、 | いせの國長島といふ所に | |
先立ちて行くに、 | 先立て行くに | |
♪ 56 |
行き行きて 倒れ伏すとも 萩の原 曾良 | 行〳〵て 倒れふすとも 萩の原 曾良 |
と書き置きたり。 | とかき置たり | |
行く者の悲しみ、残る者の憾み、 | 行くものゝ悲しみ殘る者のうらみ | |
隻鳧の別れて雲に迷ふがごとし。 | 隻鳧のわかれて雲にまよふがごとし | |
予もまた、 | 予も又 | |
♪ 57 |
今日よりは 書付消さん 笠の露 | けふよりや 書付けさん 笠の露 |