大和物語163段:在中将に、后の宮より

忘れ草 大和物語
第六部
163段
秋なき時
かざりちまき

登場人物

 
 ♪×在中将(著者誤認定。伊勢51段:前栽の菊の昔男に通説通り業平を代入しているが、その通説自体が風説以外一切事実の裏付けがない一方的みなし認定で、昔男は二条の后に近侍し歌を提供した文屋(独自))
 ♀御息所の御方(著者誤認定。伊勢51段「むかし男、人の前栽に菊植ゑけるに」の「人」を二条の后とする根拠が文脈で一切ない)

原文

 
 
 在中将に、后の宮より菊を召しければ、奉りけるついでに、
 

♪273
  植ゑし植ゑば 秋なき時や 咲かざらむ
  花こそ散らめ 根さへ枯れめや

 
 と書いつけて奉りける。
 
 

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第六部
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秋なき時
かざりちまき