忠文が…むすこなりける人(藤原忠文の息子:未詳) ♪♀監の命婦(諸説あり)
忠文が陸奥国の将軍になりて下りける時、 それがむすこなりける人を、監の命婦、しのびてあひ語らいけり。
うまのはなむけに、 めとりくくりの狩衣、袿、幣などやりたりける。
かのえたる男、
♪99 宵々の 恋しさまさる 狩ごろも 心づくしの ものにぞありける
と詠みたりければ、 女めでて泣きけり。