♪♀としこ(俊子:後撰集、承香殿俊子:拾遺集) 千兼(としこの夫(13段):藤原忠房の子)
また、としこ、 雨の降りける夜、千兼を待ちけり。 雨にや、さはりけむ、来ざりけり。 こぼれたる家にて、いといたくもりけり。 「雨のいたく降りしかば、えまゐらずなりにき。 さるところに、いかにものし給へる」 といへりければ、 としこ、
♪96 君を思ふ ひまなく宿と 思へども 今宵の雨は もらぬ間ぞなき