段 | 登場人物(人定)、♪=和歌詠者 |
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1 |
♪♀伊勢の御(藤原継蔭の娘、宇多天皇の御息所。古今集22首で女性筆頭歌人。三十六歌仙:百人一首19歌人) ♪亭子の帝(宇多天皇) |
2 |
帝(宇多天皇) ♪橘良利=良利大徳=寛蓮大徳 |
3 |
♪故源大納言(源清蔭) ♀京極御息所(藤原褒子) ♪♪♀としこ(俊子:後撰集2首、承香殿俊子:拾遺集) |
4 |
野大弐(小野好古) ♪近江守 公忠の君(源公忠) |
5 |
先坊(前坊)の君(醍醐天皇第二皇子保明親王)、旧大系:先坊、新全集・全訳注:前坊 ♪大輔(源弼の娘) ♀后の宮(穏子・藤原基経の娘) |
6 |
♪朝忠中将(藤原朝忠) ♀人の妻(不明) |
7 |
♪男(不明) ♀女(不明) |
8 |
♪♪♀監の命婦(諸説あり) 中務の宮(醍醐天皇皇子式明親王:旧大系・新全集、式明ではなく醍醐皇子重明親王:全訳注) |
9 |
桃園の兵部卿宮(醍醐天皇第一皇子克明親王[?~927]) ♪♀としこ(俊子:後撰集、承香殿俊子:拾遺集) ♪♀かの宮の北の方(諸説あり:醍醐皇子克明妻) |
10 | ♪♀監の命婦(諸説あり) |
11 |
♪故源大納言の君(源清蔭) ♪♀忠房のぬしのみむすめ東の方(藤原忠房娘。千兼の姉妹、としこの義理姉妹) ♀亭子院の若宮(醍醐天皇皇女韶子内親王) |
12 |
♪同じ大臣(源清蔭) ♀かの宮(醍醐天皇皇女韶子内親王) 帝(宇多天皇) |
13 |
右馬允 藤原千兼(11段の藤原忠房の子、11段の内容からとしこが仕えた源大納言清蔭と義兄弟。後撰集1首だが、としことセットの収録で歌人としての実態はないと見る) ♪♀藤原千兼といふ人の妻=としこ(俊子:後撰集2首、承香殿俊子:拾遺集)。学説(旧大系、新編全集、講談社文庫全訳注)は一致して本段贈歌を千兼の歌と認定するが、「なくなり」をとしこ、「限りなく悲しく」を千兼と漫然とみなしており不適当。源大納言のような故という限定もない物語最多和歌のとしこを著者がここで失せさせ、本段のみの千兼を存命で和歌を詠むとする読解根拠がなく、見立てた結果もおかしい。千兼が妻の友人の一条の君にお悔やみに来ないのはなぜかと催促するのは不自然。としこが親しい一条の君になぜ慰めに来ないかと送ったと見れば、返歌の恨むなも全く無理がない。千兼が一条の君の従者に会ったことが伊勢9段で修行者に会ったような印象(全訳注)とは何か。お涙頂戴一辺倒で芝居がかった御用系解釈に馴れ切った弊害。解釈とは文脈に多角的に無理なく即すことで一点から決め打ちすることではない。完全独自説。 ♪♀内の蔵人にてありける一条の君=としこをいとよく知れりける人(清和天皇皇子貞平娘・京極御息所女房) |
14 |
♪♀本院の北の方の御おとうと(在原棟梁娘の妹) 陽成院の帝 |
15 |
♀釣殿の宮(光孝天皇第八皇女:綏子内親王(? - 925年)。本段ではその邸宅) ♪♀若狭の御(未詳:旧大系、新全集。新全集はさらに「武蔵と同一人物か」とする。本段の歌が後撰集1169で武蔵と認定されることを受け。全訳注は後撰の認定を混同とする) ―(本段の主語、前段の陽成天皇。868~949) |
16 |
♪♀陽成院のすけの御(未詳) ♪継父の少将(未詳。諸説あり) |
17 |
故式部卿宮(887~930:宇多天皇第四皇子敦慶親王) ♪♀故式部卿宮の出羽の御(未詳) ♪継父の少将(未詳。16段参照。諸説あり) |
18 |
故式部卿宮(887~930:宇多皇子敦慶) ♪♀二条の御息所 (学説で議論あり。次段でこの二人の内容が繰り返され、私見では伊勢の御を一般名詞的に表現したものと解す。別途論じる) |
19 |
♪♀おなじ人(先段の二条の御息所:議論あり。能子(通説の推測で実質的根拠はない)、伊勢の御(有力説)×高子(全訳注)) ♪同じ親王(宇多皇子敦慶) |
20 |
故式部卿宮(宇多皇子敦慶) ♪♀桂の皇女(宇多皇女・敦慶異母妹) |
21 |
♪♀監の命婦(諸説あり) ♪良少将(六歌仙:僧正遍照) |
22 |
♪良少将(六歌仙:僧正遍照) ♀監の命婦(諸説あり) |
23 |
陽成院の二のみこ ♪♀後蔭の中将のむすめ ♀女五の宮 |
24 |
先帝 ♪♀右大臣殿の女御 |
25 | ♪明覚といふ法師=としこが兄(未詳) |
26 |
♪♀桂の皇女(宇多皇女・敦慶異母妹) あふまじき人=男 |
27 |
♪かいせう(戒仙:後撰集) 親 |
28 |
かの父の兵衛の佐 ♪まらうど=貫之・友則など(紀貫之、紀友則:共に古今集編纂者、三十六歌仙、百人一首35・33歌人) ♪おなじ人=かいせう(戒仙:後撰集) |
29 |
故式部卿宮(宇多皇子敦慶) ♪三条の右の大臣(藤原定方:百人一首25歌人) |
30 |
♪故右京の大夫宗于の君(源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人) 亭子の帝(宇多天皇) |
31 |
♪同じ右京の大夫(源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人) ♀監の命婦(諸説あり) |
32 |
亭子の帝(宇多天皇) ♪♪右京の大夫(源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人) 僧都の君 |
33 |
♪躬恒(凡河内躬恒:百人一首29歌人) 院 |
34 |
右京の大夫(源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人) ♪♀女(不明) |
35 |
♪堤の中納言(藤原兼輔:三十六歌仙:百人一首27歌人) 院の帝 |
36 |
♀さきの斎宮 ♪堤の中納言(藤原兼輔:三十六歌仙:百人一首27歌人) |
37 |
♪♀いづも(出雲。未詳。一説に出雲守等だが、私見では文脈でも用法でも女子) ♀はらから(未詳) |
38 |
♪♀先帝の五のみこの御むすめ一条の君=壱岐守の妻(清和天皇皇子貞平娘・京極御息所女房) ♀京極の御息所(藤原褒子) |
39 |
♀伊勢守もろみちのむすめ 正明の中将の君 ♀うなゐ(少女) ♪右京の大夫(源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人) |
40 |
♀桂のみこ(宇多皇女・敦慶異母妹) 式部卿の宮(宇多皇子敦慶) ♪うなゐ(敦慶を好いた侍女) |
41 |
♪源大納言の君(源清蔭) ♀としこ(俊子:後撰集、承香殿俊子:拾遺集) |
42 |
♪ゑしうといふ法師(未詳。恵秀(通説的)・延昌) ♀ある人=この人(女:通説) |
43 | ♪♪この大徳(42段:ゑしうといふ法師。未詳。恵秀・延昌) |
44 |
♪♪おなじ人(42段:ゑしうといふ法師(未詳。恵秀・延昌) ♀ある人(不明or一説に42段と別の女) |
45 |
♪堤の中納言の君(藤原兼輔:三十六歌仙:百人一首27歌人) ♀十三のみこの母御息所 帝=先帝(醍醐天皇:全訳注) |
46 |
♪平中(平貞文) ♀閑院の御=女(未詳。一説、清和皇子貞元の女房) |
47 | ♪♀陽成院の一条の君(有力説:13・38段の一条の君:清和皇子貞平(陽成弟)娘) |
48 |
♪先帝(宇多:通説、清和:全訳注) ♀刑部の君=更衣(未詳。一説、藤原良近娘:全訳注) |
49 |
♪おなじ帝(宇多:通説、清和:全訳注) ♀斎院のみこ(君子内親王。一説、敦子内親王:全訳注) |
50 | ♪かいせん(27・28段の戒仙:後撰集、新拾遺) |
51 |
♪♀斎院(君子内親王。一説、敦子内親王:全訳注) ♪内(君子の父=宇多天皇:通説、清和:全訳注) |
52 | ♪内(君子の父=宇多天皇:通説、清和:全訳注) |
53 |
♪陽成院にありける坂上とほみちといふ男(未詳。坂上遠道) ♀おなじ院にありける女(不明) |
54 |
♪右京の大夫宗于の君三郎(未詳。源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人の三男) 親・はらから(源宗于達) 思ひける友だち(不明) |
55 |
男(不明。私見:前段の三郎) ♪♀かぎりなく思ひける女(不明) |
56 |
♪越前の権守兼盛(平兼盛:三十六歌仙:百人一首40歌人) ♪♀兵衛の君=女(藤原兼茂の娘:後撰・拾遺) |
57 |
近江の介・平の中興(平中興) ♀中興がむすめ=女(未詳:元良親王御集) ♪兼盛(平兼盛:三十六歌仙:百人一首40歌人) |
58 |
♪♪兼盛(平兼盛:三十六歌仙) ♀閑院の三のみこの御むすこ=むすめ(争いあり。[源重之(全集)or源兼信(全訳注)]の娘) ♀黒塚のあるじ=恒忠の君の妻(未詳) |
59 |
♪筑紫へ下りける人(不明) ♀女(不明) |
60 |
♪♀五条の御(藤原山蔭のみひめ(143段):未詳) 男(不明) |
61 |
亭子院(宇多天皇と居所) ♪♀御息所たち=御曹司ども=たが御曹司(不明) ♀京極の御息所(藤原褒子) ♪殿上人=男ども |
62 |
♪♀のうさんの君(未詳:女か、とされるが女) ♪浄蔵大徳(祈祷師。三善清行の八男) |
63 |
♪故右京の大夫(源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人) ♀人のむすめ(不明) 親(不明) |
64 |
平中(平貞文) ♪♀若き女(不明) ♀妻 |
65 |
♪♪♪♪南院の五郎・三河守 (旧体系:不明 全集:光孝皇子是忠五男・今扶 全訳注:源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人は三河守だが非五男。今扶は記録により六男) ♀承香殿にありける伊予の御(未詳) |
66 |
♪♀としこ(俊子:後撰集、承香殿俊子:拾遺集) 千兼(としこの夫(13段):藤原忠房の子) |
67 |
♪♀としこ(俊子:後撰集、承香殿俊子:拾遺集) 千兼(としこの夫(13段):藤原忠房の子) |
68 |
♪♀としこ(俊子:後撰集、承香殿俊子:拾遺集) ♪枇杷殿(藤原仲平) |
69 |
忠文が…むすこなりける人(藤原忠文の息子:未詳) ♪♀監の命婦(諸説あり) |
70 |
♪おなじ人=大七(藤原忠文の息子。未詳) ♪♪♀監の命婦(諸説あり) |
71 |
故式部卿宮(宇多皇子敦慶) ♪堤の中納言(藤原兼輔:三十六歌仙:百人一首27歌人) ♪三条の右大臣(藤原定方:百人一首25歌人) |
72 |
同じ宮(故式部卿宮=宇多皇子敦慶) ♪兼盛(平兼盛:三十六歌仙:百人一首40歌人) |
73 |
♪堤の中納言(藤原兼輔:三十六歌仙:百人一首27歌人) 人=国の守(不明) |
74 | ♪おなじ中納言(堤の中納言=藤原兼輔:三十六歌仙:百人一首27歌人) |
75 |
♪おなじ中納言(堤の中納言=藤原兼輔:三十六歌仙:百人一首27歌人) 蔵人=加賀の守(大江千古) |
76 |
♀桂のみこ(宇多皇女) ♪嘉種(源嘉種:清和孫) 母御息所 |
77 |
♀♪おなじみこ(桂のみこ=宇多皇女) ♪おなじ男=嘉種(源嘉種:清和孫) |
78 |
♀♪監の命婦(諸説あり) 弾正の親王(議論あり:醍醐皇子章明(旧通説・旧大系) 陽成皇子元平(有力・全集) |
79 |
おなじ親王(弾正の親王=議論あり:醍醐皇子章明(旧通説・旧大系) 陽成皇子元平(有力・全集)) ♀♪おなじ女(監の命婦。諸説あり) |
80 |
南院の君達(光孝皇子是忠達) ♪右京の大夫宗于(源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人:光孝皇子) |
81 |
♪♀季縄少将の娘右近(百人一首38歌人 醍醐中宮穏子女房) 故后の宮 故権中納言の君 内わたりの人 |
82 | ♪♀おなじ女(右近:百人一首38歌人、醍醐中宮穏子女房) |
83 |
♪♀おなじ女(右近:百人一首38歌人、醍醐中宮穏子女房) しのびて通ひ給ふ人 |
84 |
♪♀おなじ女(右近:百人一首38歌人、醍醐中宮穏子女房) 男 |
85 |
♪♀おなじ右近(百人一首38歌人、醍醐中宮穏子女房) 桃園の宰相の君 |
86 |
♪大納言殿 ♪兼盛(平兼盛:三十六歌仙:百人一首40歌人) |
87 |
♪兵庫の允なりける男 ♪♀かの国なりける女 |
88 |
♪おなじ男(兵庫の允なりける男) ♪♀女(かの国なりける女) |
89 |
♪♪♪♀修理の君=おなじ女 ♪♪♪♪♪右馬の頭 |
90 |
♪♀おなじ女(修理の君) 故兵部卿宮(陽成天皇第一皇子元良親王:894-943。百人一首20歌人) |
91 |
♪三条の右大臣(藤原定方:百人一首25歌人) ♪♀通ひ給ひける女=よしある女 |
92 |
♪♪♪故権中納言 ♀左大臣の君 |
93 |
♪おなじ中納言(故権中納言) ♀斎宮のみこ |
94 |
♀故中務宮の北の方 三条右大臣殿(藤原定方:百人一首25歌人) ♀かの北の方の御おとうと九の君 左兵衛の督の君=侍従 ♪♀御息所(右大臣の御息所) ♪宮 |
95 |
♪♀おなじ右大臣の御息所 帝 式部卿の宮(宇多皇子敦慶) ♀斎宮 |
96 |
♀九の君(94段) 侍従の君(94段) ♀御息所 宮 ♪左大臣 |
97 |
♀おほきおとどの北の方 ♪主語なし |
98 |
♪おなじおほきおとど ♀左大臣の御母・菅原の君 亭子の帝 ♀后の宮 |
99 |
亭子の帝(宇多天皇) ♪太政大臣 |
100 |
♪季縄の少将 帝 |
101 |
♪季縄の少将 近江守・公忠の君 |
102 | ♪土佐守にありける酒井の人真 |
103 |
♪♪平中=尉の君(平貞文) ♀故后の宮の御たち ♪♀武蔵守のむすめ=武蔵=尼=女 亭子の帝(宇多天皇) |
104 |
♪滋幹の少将 ♪♀女 |
105 |
♪♀中興の近江介がむすめ(平中興の娘) ♪浄蔵大徳(62段の祈祷師。三善清行の八男) ♪♪思ふ人 |
106 |
♪♪♪♪♪故兵部卿の宮=親王=おなじ宮(陽成天皇第一皇子元良親王:894-943。百人一首20歌人) ♪♪♪♪♀この女(平中興の娘) ♪♀知らぬ女 |
107 |
おなじ宮 ♪♀こと女 |
108 |
♪♀南院のいま君=右京の大夫宗于の君のむすめ ♀おほきおとどの内侍の督の君の御方 兵衛の督の君=あや君 |
109 |
♪♀おなじ女 巨城 |
110 |
♪♀おなじ女 人 |
111 |
♪♀大膳の大夫公平のむすめ・おほいこ=少将の御 ♀后の宮 ♀三にあたりける 備後守信明 |
112 |
♪♀おなじ女 兵衛の尉もろただ |
113 |
♪兵衛の尉 ♪♪♪♀この女ども=女=おなじ人 |
114 |
♪♀桂のみこ(宇多皇女) 人 |
115 |
♪右大臣 小弐のめのと ♪主語なし |
116 | ♪♀きんひらがむすめ |
117 |
♪♀桂のみこ(宇多皇女) 嘉種(源嘉種:清和孫) |
118 | ♪♀閑院のおほいきみ |
119 |
♪♪♀おなじ女=おほいきみ ♪♪陸奥守にて死にし藤原真興 |
120 |
♪おほきおとど 枇杷の大臣 ♪♀斎宮 ♪♀三条の右の大殿(藤原定方:百人一首25歌人)の女御 |
121 |
♪さねたうの少弐といひける人のむすめの男 ♪主語なし |
122 |
♪♀としこ ♪増喜君といふ法師 |
123 | ♪おなじ増喜君 |
124 |
♀本院の北の方=帥の大納言の妻 ♪平中 ♀左の大臣の北の方 |
125 |
泉の大将 故左大臣=あるじの大臣 ♪♪壬生忠岑:三十六歌仙:古今集編纂者:百人一首30歌人 ♀忠岑がむすめ ある人=男 |
126 |
♪♀檜垣の御 野大弐(小野好古) |
127 | ♪♀おなじ人(檜垣の御) |
128 |
♪♀この檜垣の御 ♪すき者ども |
129 | ♪♀筑紫なりける女 |
130 | ♪♀筑紫なりける女 |
131 |
先帝 ♪公忠 |
132 |
おなじ帝 ♪♪躬恒:百人一首29歌人 |
133 |
おなじ帝 ♀女 ♪公忠 |
134 |
♪先帝 ♀きたなげなき童 ♀この主なる御息所 |
135 |
♪♀三条の右大臣(藤原定方:百人一首25歌人)のむすめ=女 堤の中納言=男 |
136 |
男 ♪♀女 |
137 |
故兵部卿の宮(陽成天皇第一皇子元良親王:894-943。百人一首20歌人) ♪♀としこ |
138 |
♪こやくしくそ(通説:不明。私見:前後の配置から元良親王。くそ:童子や呼名の下につける呼称(旧大系)、くそは敬称(新編全集)、愛称で軽い敬称(全訳注)、「小薬師」(虚静抄)。私見:くそ中のくそ。「こやしくそ」が本来) ♪♀ある人=女(旧大系・新編全集言及せず。全訳注:「かくれ沼の」「水がくれて」の贈答が『伊勢集』にあるから、それによれば、伊勢のことなるも不明。私見:前後の配置から伊勢の御からとしこが聞いた直接伝聞。したがって説明調ではない。伊勢集333・334がそのまま本段の歌。伊勢と元良親王は百人一首19・20で続く) |
139 |
先帝(通説:醍醐天皇) ♀承香殿の御息所(源和子:光孝天皇皇女・醍醐天皇女御。としこが仕えたとされる人物) ♪♪♀中納言の君=女(未詳。承香殿の御息所の女房(新編全集)、承香殿の女御の侍女(全訳注)) 故兵部卿の宮=わか男=一の宮(陽成天皇第一皇子元良親王:894-943。百人一首20歌人) |
140 |
♪♪故兵部卿宮(陽成天皇第一皇子元良親王:894-943。百人一首20歌人) ♪♪♀のぼるの大納言のむすめ |
141 |
よしいゑといひける宰相のはらから=大和の掾 ♀もとの妻 ♪♪♪♪♀今の妻=筑紫の妻 |
142 |
♪♪♪♀御息所の御姉おほいこ ♀おとうとたち御息所 ♀女親 ♀まま母 親 |
143 |
♪在中将のみむすこ在次君(在原滋春) ♀在中将のみむすこ在次君といふが妻=山蔭の中納言のみめひ=五条の御=守の召人 ♀在次君のいもうと=伊勢守の妻 この男のはらから(在原棟梁、師尚) |
144 | ♪♪♪在次君 |
145 |
亭子の帝 ♪♪♀うかれめ=しろ |
146 |
亭子の帝 ♀うかれめども=うかれめばら ♪♀大江の玉淵がむすめ 南院の七郎君 |
147 |
♀津の国にすむ女 男ふたり ♀故后の宮 ♪♪♀伊勢の御息所 ♪♪♀女一のみこ ♪♪♀宮 ♪♪♀兵衛の命婦 ♪♪♀糸所の別当 |
148 |
♪♪♀女 男 ♪主語なし |
149 |
男=おほきみ(著者誤認定。伊勢物語23段:筒井筒。田舎の幼馴染の話で業平とできないために大君と改変代入) ♪♀女 ♀今の妻 |
150 |
♀ならの帝につかうまつるうねべ ♪柿本人麻呂 ♪帝 |
151 |
♪おなじ帝 ♪人麻呂 |
152 |
♪おなじ帝 大納言 |
153 |
♪ならの帝 ♪嵯峨の帝 |
154 |
♪男 ♪♀女 |
155 |
♪♀大納言の娘 内舎人 |
156 |
♪男 ♀をば=姑 ♀妻 |
157 |
男 ♪♀女 ♀妻 |
158 |
男 ♀女 ♪♀女=今の妻 |
159 |
♪♀染殿の内侍 ♪能有の大臣 |
160 |
♪♪♀おなじ内侍 ♪♪×在中将(著者誤認定。染殿との対比で縫殿由来の文屋の伝説が業平で上書きされた。伊勢物語にないオリジナルエピソードで貴重) |
161 |
♪♪×在中将(著者誤認定。伊勢物語3段:ひじき藻、76段:小塩の山の昔男に通説通り業平を代入しているが、その通説自体が風説以外一切事実の裏付けがない一方的みなし認定で、昔男は文屋) ♀二条の后の宮=春宮の女御(藤原高子) |
162 |
♪♪×在中将(著者誤認定。伊勢100段:忘れ草の昔男に通説通り業平を代入しているが、その通説自体が風説以外一切事実の裏付けがない一方的みなし認定で、昔男は文屋) ♀御息所の御方(著者誤認定。伊勢100段「あるやんごとなき人の御局より」を二条の后と認定したものだが特定に足る根拠がない) |
163 |
♪×在中将(著者誤認定。伊勢51段:前栽の菊の昔男に通説通り業平を代入しているが、その通説自体が風説以外一切事実の裏付けがない一方的みなし認定で、昔男は文屋) ♀御息所の御方(著者誤認定。伊勢51段「むかし男、人の前栽に菊植ゑけるに」の「人」を二条の后とする根拠が文脈で一切ない) |
164 |
♪×在中将(著者誤認定。伊勢第52段:飾り粽の昔男に業平を代入しているが、その通説自体が風説以外一切事実の裏付けがない一方的みなし認定で、昔男は文屋) 人(伊勢物語の私見では、これは紀有常) |
165 |
水尾の帝 ♀左大弁のむすめ=弁の御息所 ♪中将(最初の歌は伊勢物語になく、業平の歌と見て差し支えない) ♪×在中将(著者誤認定。伊勢第125段:つひにゆく道の昔男に代入しているが、その通説自体が風説以外一切事実の裏付けがない一方的みなし認定で、昔男は文屋) |
166 |
♪在中将(伊勢第99段:ひをりの日。こちらは伊勢物語で問題なく「中将なりける男」と明示されているが、それが中将の話の最後にきていることにはそれなりに意味があると言えるだろう) ♀女(伊勢物語の私見によれば、これは二条の后で根拠はある。伊勢物語でそれまで車に乗って描かれた女性は二条の后だけ。類説はないだろう) |
167 |
男 ♪♀女 ♀今の妻 |
168 a |
深草の帝 ♪♪♪良少将=少将大徳=僧正(六歌仙:僧正遍照) ♪♀女 |
168 b |
♪♀小野小町(六歌仙) ♪少将大徳(六歌仙:僧正遍照) |
168 c |
♪大徳=僧正(六歌仙:僧正遍照) ♪太郎=左近将監=法師の子=この子=京極の僧都 |
169 |
内舎人 ♀女どもわらはべ ♀いとをかしげなる子 |
170 |
♪伊衡の宰相=中将=故式部卿の宮の別当 ♪♀兵衛の命婦 |
171 |
♪いまの左大臣=少将の君 式部卿の宮 ♪かの宮に大和といふ人さぶらひける |
172 |
亭子の帝 国の司 近江守 ♪黒主 |
173 |
♪♪良岑宗貞少将=男 ♪♪♀丈だちいとよきほどなる人=女 |