目次 | |||||||||
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169 敏行 |
170 貫之 |
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171 不知 |
172 不知 |
173 不知 |
174 不知 |
175 不知 |
176 不知 |
177 友則 |
178 興風 |
179 躬恒 |
180 躬恒 |
181 素性 |
182 宗于 |
183 忠岑 |
184 不知 |
185 不知 |
186 不知 |
187 不知 |
188 不知 |
189 不知 |
190 躬恒 |
191 不知 |
192 不知 |
193 千里 |
194 忠岑 |
195 元方 |
196 忠房 |
197 敏行 |
198 不知 |
199 不知 |
200 不知 |
201 不知 |
202 不知 |
203 不知 |
204 猿? |
205 不知 |
206 元方 |
207 友則 |
208 不知 |
209 不知 |
210 不知 |
211 柿? |
212 菅根 |
213 躬恒 |
214 忠岑 |
215 猿丸 |
216 不知 |
217 不知 |
218 敏行 |
219 躬恒 |
220 不知 |
221 不知 |
222 奈良? |
223 不知 |
224 不知 |
225 朝康 |
226 遍昭 |
227 今道 |
228 敏行 |
229 美材 |
230 左大 |
231 定方 |
232 貫之 |
233 躬恒 |
234 躬恒 |
235 忠岑 |
236 忠岑 |
237 兼覧 |
238 貞文 |
239 敏行 |
240 貫之 |
241 素性 |
242 貞文 |
243 棟梁 |
244 素性 |
245 不知 |
246 不知 |
247 不知 |
248 遍昭 |
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※215は百人一首で猿丸とされているが、ここでは不知扱い。 秋なのに男しかいない暑苦しさ。女性は恋に行った。 |
0169 | |
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詞書 | 秋立つ日よめる |
作者 | 藤原敏行朝臣 |
原文 |
あききぬと めにはさやかに 見えねとも 風のおとにそ おとろかれぬる |
かな |
あききぬと めにはさやかに みえねとも かせのおとにそ おとろかれぬる |
0170 | |
詞書 |
秋たつ日、 うへのをのこともかものかはらに かはせうえうしけるともにまかりてよめる |
作者 | つらゆき(紀貫之) |
原文 |
河風の すすしくもあるか うちよする 浪とともにや 秋は立つらむ |
かな |
かはかせの すすしくもあるか うちよする なみとともにや あきはたつらむ |
0171 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
わかせこか 衣のすそを 吹返し うらめつらしき 秋のはつ風 |
かな |
わかせこか ころものすそを ふきかへし うらめつらしき あきのはつかせ |
0172 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
きのふこそ さなへとりしか いつのまに いなはそよきて 秋風の吹く |
かな |
きのふこそ さなへとりしか いつのまに いなはそよきて あきかせのふく |
0173 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
秋風の 吹きにし日より 久方の あまのかはらに たたぬ日はなし |
かな |
あきかせの ふきにしひより ひさかたの あまのかはらに たたぬひはなし |
0174 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
久方の あまのかはらの わたしもり 君わたりなは かちかくしてよ |
かな |
ひさかたの あまのかはらの わたしもり きみわたりなは かちかくしてよ |
0175 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
天河 紅葉をはしに わたせはや たなはたつめの 秋をしもまつ |
かな |
あまのかは もみちをはしに わたせはや たなはたつめの あきをしもまつ |
0176 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
こひこひて あふ夜はこよひ あまの河 きり立ちわたり あけすもあらなむ |
かな |
こひこひて あふよはこよひ あまのかは きりたちわたり あけすもあらなむ |
0177 | |
詞書 |
寛平御時、 なぬかの夜うへにさふらふをのことも 歌たてまつれとおほせられける時に、 人にかはりてよめる |
作者 | とものり(紀友則) |
原文 |
天河 あさせしら浪 たとりつつ わたりはてねは あけそしにける |
かな |
あまのかは あさせしらなみ たとりつつ わたりはてねは あけそしにける |
0178 | |
詞書 | おなし御時きさいの宮の歌合のうた |
作者 | 藤原おきかせ(藤原興風) |
原文 |
契りけむ 心そつらき たなはたの 年にひとたひ あふはあふかは |
かな |
ちきりけむ こころそつらき たなはたの としにひとたひ あふはあふかは |
0179 | |
詞書 | なぬかの日の夜よめる |
作者 | 凡河内みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
年ことに あふとはすれと たなはたの ぬるよのかすそ すくなかりける |
かな |
としことに あふとはすれと たなはたの ぬるよのかすそ すくなかりける |
0180 | |
詞書 | なぬかの日の夜よめる |
作者 | 凡河内みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
織女に かしつる糸の 打ちはへて 年のをなかく こひやわたらむ |
かな |
たなはたに かしつるいとの うちはへて としのをなかく こひやわたらむ |
0181 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | そせい(素性法師) |
原文 |
こよひこむ 人にはあはし たなはたの ひさしきほとに まちもこそすれ |
かな |
こよひこむ ひとにはあはし たなはたの ひさしきほとに まちもこそすれ |
0182 | |
詞書 | なぬかの夜のあかつきによめる |
作者 | 源むねゆきの朝臣(源宗于) |
原文 |
今はとて わかるる時は 天河 わたらぬさきに そてそひちぬる |
かな |
いまはとて わかるるときは あまのかは わたらぬさきに そてそひちぬる |
0183 | |
詞書 | やうかの日よめる |
作者 | みふのたたみね(壬生忠岑) |
原文 |
けふよりは いまこむ年の きのふをそ いつしかとのみ まちわたるへき |
かな |
けふよりは いまこむとしの きのふをそ いつしかとのみ まちわたるへき |
0184 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
このまより もりくる月の 影見れは 心つくしの 秋はきにけり |
かな |
このまより もりくるつきの かけみれは こころつくしの あきはきにけり |
0185 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
おほかたの 秋くるからに わか身こそ かなしき物と 思ひしりぬれ |
かな |
おほかたの あきくるからに わかみこそ かなしきものと おもひしりぬれ |
0186 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
わかために くる秋にしも あらなくに むしのねきけは まつそかなしき |
かな |
わかために くるあきにしも あらなくに むしのねきけは まつそかなしき |
0187 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
物ことに 秋そかなしき もみちつつ うつろひゆくを かきりと思へは |
かな |
ものことに あきそかなしき もみちつつ うつろひゆくを かきりとおもへは |
0188 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
ひとりぬる とこは草はに あらねとも 秋くるよひは つゆけかりけり |
かな |
ひとりぬる とこはくさはに あらねとも あきくるよひは つゆけかりけり |
0189 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合のうた |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
いつはとは 時はわかねと 秋のよそ 物思ふ事の かきりなりける |
かな |
いつはとは ときはわかねと あきのよそ ものおもふことの かきりなりける |
0190 | |
詞書 |
かむなりのつほに人人あつまりて 秋のよをしむ歌よみけるついてによめる |
作者 | みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
かくはかり をしと思ふ夜を いたつらに ねてあかすらむ 人さへそうき |
かな |
かくはかり をしとおもふよを いたつらに ねてあかすらむ ひとさへそうき |
0191 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
白雲に はねうちかはし とふかりの かすさへ見ゆる 秋のよの月 |
かな |
しらくもに はねうちかはし とふかりの かすさへみゆる あきのよのつき |
0192 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
さ夜なかと 夜はふけぬらし かりかねの きこゆるそらに 月わたる見ゆ |
かな |
さよなかと よはふけぬらし かりかねの きこゆるそらに つきわたるみゆ |
0193 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合によめる |
作者 | 大江千里 |
原文 |
月見れは ちちに物こそ かなしけれ わか身ひとつの 秋にはあらねと |
かな |
つきみれは ちちにものこそ かなしけれ わかみひとつの あきにはあらねと |
コメ |
百人一首23。 つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど /月見れば 千々に物こそ 悲しけれわが身ひとつの 秋にはあらねど |
0194 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合によめる |
作者 | たたみね(壬生忠岑) |
原文 |
久方の 月の桂も 秋は猶も みちすれはや てりまさるらむ |
かな |
ひさかたの つきのかつらも あきはなほ もみちすれはや てりまさるらむ |
0195 | |
詞書 | 月をよめる |
作者 | 在原元方 |
原文 |
秋の夜の 月のひかりし あかけれは くらふの山も こえぬへらなり |
かな |
あきのよの つきのひかりし あかけれは くらふのやまも こえぬへらなり |
0196 | |
詞書 |
人のもとにまかれりける夜、 きりきりすのなきけるをききてよめる |
作者 | 藤原忠房 |
原文 |
蟋蟀 いたくななきそ 秋の夜の 長き思ひは 我そまされる |
かな |
きりきりす いたくななきそ あきのよの なかきおもひは われそまされる |
0197 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合のうた |
作者 | としゆきの朝臣(藤原敏行) |
原文 |
秋の夜の あくるもしらす なくむしは わかこと物や かなしかるらむ |
かな |
あきのよの あくるもしらす なくむしは わかことものや かなしかるらむ |
0198 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
あき萩も 色つきぬれは きりきりす わかねぬことや よるはかなしき |
かな |
あきはきも いろつきぬれは きりきりす わかねぬことや よるはかなしき |
0199 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
秋の夜は つゆこそことに さむからし 草むらことに むしのわふれは |
かな |
あきのよは つゆこそことに さむからし くさむらことに むしのわふれは |
0200 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
君しのふ 草にやつるる ふるさとは 松虫のねそ かなしかりける |
かな |
きみしのふ くさにやつるる ふるさとは まつむしのねそ かなしかりける |
0201 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
秋ののに 道もまとひぬ 松虫の こゑする方に やとやからまし |
かな |
あきののに みちもまとひぬ まつむしの こゑするかたに やとやからまし |
0202 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
あきののに 人松虫の こゑすなり 我かとゆきて いさとふらはむ |
かな |
あきののに ひとまつむしの こゑすなり われかとゆきて いさとふらはむ |
0203 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
もみちはの ちりてつもれる わかやとに 誰を松虫 ここらなくらむ |
かな |
もみちはの ちりてつもれる わかやとに たれをまつむし ここらなくらむ |
0204 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす(猿丸説あり) |
原文 |
ひくらしの なきつるなへに 日はくれぬと 思ふは山の かけにそありける |
かな |
ひくらしの なきつるなへに ひはくれぬと おもふはやまの かけにそありける |
0205 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
ひくらしの なく山里の ゆふくれは 風よりほかに とふ人もなし |
かな |
ひくらしの なくやまさとの ゆふくれは かせよりほかに とふひともなし |
0206 | |
詞書 | はつかりをよめる |
作者 | 在原元方 |
原文 |
まつ人に あらぬものから はつかりの けさなくこゑの めつらしきかな |
かな |
まつひとに あらぬものから はつかりの けさなくこゑの めつらしきかな |
0207 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合のうた |
作者 | とものり(紀友則) |
原文 |
秋風に はつかりかねそ きこゆなる たかたまつさを かけてきつらむ |
かな |
あきかせに はつかりかねそ きこゆなる たかたまつさを かけてきつらむ |
0208 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
わかかとに いなおほせとりの なくなへに けさ吹く風に かりはきにけり |
かな |
わかかとに いなおほせとりの なくなへに けさふくかせに かりはきにけり |
0209 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
いとはやも なきぬるかりか 白露の いろとる木木も もみちあへなくに |
かな |
いとはやも なきぬるかりか しらつゆの いろとるききも もみちあへなくに |
0210 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
春霞 かすみていにし かりかねは 今そなくなる 秋きりのうへに |
かな |
はるかすみ かすみていにし かりかねは いまそなくなる あききりのうへに |
0211 | |
詞書 |
題しらす/このうたは、 ある人のいはく、柿本の人まろかなりと |
作者 |
よみ人しらす (一説、柿本の人まろ(柿本人麻呂)) |
原文 |
夜をさむみ 衣かりかね なくなへに 萩のしたはも うつろひにけり |
かな |
よをさむみ ころもかりかね なくなへに はきのしたはも うつろひにけり |
0212 | |
詞書 | 寛平御時きさいの宮の歌合のうた |
作者 | 藤原菅根朝臣 |
原文 |
秋風に こゑをほにあけて くる舟は あまのとわたる かりにそありける |
かな |
あきかせに こゑをほにあけて くるふねは あまのとわたる かりにそありける |
0213 | |
詞書 | かりのなきけるをききてよめる |
作者 | みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
うき事を 思ひつらねて かりかねの なきこそわたれ 秋のよなよな |
かな |
うきことを おもひつらねて かりかねの なきこそわたれ あきのよなよな |
0214 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合のうた |
作者 | たたみね(壬生忠岑) |
原文 |
山里は 秋こそことに わひしけれ しかのなくねに めをさましつつ |
かな |
やまさとは あきこそことに わひしけれ しかのなくねに めをさましつつ |
0215 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合のうた |
作者 | よみ人しらす(※) |
原文 |
おく山に 紅棄ふみわけ なく鹿の こゑきく時そ 秋は悲しき |
かな |
おくやまに もみちふみわけ なくしかの こゑきくときそ あきはかなしき |
コメ |
百人一首5(猿丸大夫)。 おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき /奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき |
0216 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
秋はきに うらひれをれは あしひきの 山したとよみ しかのなくらむ |
かな |
あきはきに うらひれをれは あしひきの やましたとよみ しかのなくらむ |
0217 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
秋はきを しからみふせて なくしかの めには見えすて おとのさやけさ |
かな |
あきはきを しからみふせて なくしかの めにはみえすて おとのさやけさ |
0218 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合によめる |
作者 | 藤原としゆきの朝臣(藤原敏行) |
原文 |
あきはきの 花さきにけり 高砂の をのへのしかは 今やなくらむ |
かな |
あきはきの はなさきにけり たかさこの をのへのしかは いまやなくらむ |
0219 | |
詞書 | むかしあひしりて侍りける人の、秋ののにあひて物かたりしけるついてによめる |
作者 | みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
秋はきの ふるえにさける 花見れは 本の心は わすれさりけり |
かな |
あきはきの ふるえにさける はなみれは もとのこころは わすれさりけり |
0220 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
あきはきの したは色つく 今よりや ひとりある人の いねかてにする |
かな |
あきはきの したはいろつく いまよりや ひとりあるひとの いねかてにする |
0221 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
なきわたる かりの涙や おちつらむ 物思ふやとの 萩のうへのつゆ |
かな |
なきわたる かりのなみたや おちつらむ ものおもふやとの はきのうへのつゆ |
0222 | |
詞書 |
題しらす/ある人のいはく、 この歌はならのみかとの御歌なりと |
作者 |
よみ人しらす (一説、ならのみかと(平城天皇?)) |
原文 |
萩の露 玉にぬかむと とれはけぬ よし見む人は 枝なから見よ |
かな |
はきのつゆ たまにぬかむと とれはけぬ よしみむひとは えたなからみよ |
0223 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
をりて見は おちそしぬへき 秋はきの 枝もたわわに おけるしらつゆ |
かな |
をりてみは おちそしぬへき あきはきの えたもたわわに おけるしらつゆ |
0224 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
萩か花 ちるらむをのの つゆしもに ぬれてをゆかむ さ夜はふくとも |
かな |
はきかはな ちるらむをのの つゆしもに ぬれてをゆかむ さよはふくとも |
0225 | |
詞書 | 是貞のみこの家の歌合によめる |
作者 | 文屋あさやす(文屋朝康) |
原文 |
秋ののに おくしらつゆは 玉なれや つらぬきかくる くものいとすち |
かな |
あきののに おくしらつゆは たまなれや つらぬきかくる くものいとすち |
0226 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | 僧正へんせう(遍昭、良岑宗貞) |
原文 |
名にめてて をれるはかりそ をみなへし 我おちにきと 人にかたるな |
かな |
なにめてて をれるはかりそ をみなへし われおちにきと ひとにかたるな |
0227 | |
詞書 |
僧正遍昭かもとにならへまかりける時に、 をとこ山にてをみなへしを見てよめる |
作者 | ふるのいまみち(布留今道) |
原文 |
をみなへし うしと見つつそ ゆきすくる をとこ山にし たてりと思へは |
かな |
をみなへし うしとみつつそ ゆきすくる をとこやまにし たてりとおもへは |
0228 | |
詞書 | 是貞のみこの家の歌合のうた |
作者 | としゆきの朝臣(藤原敏行) |
原文 |
秋ののに やとりはすへし をみなへし 名をむつましみ たひならなくに |
かな |
あきののに やとりはすへし をみなへし なをむつましみ たひならなくに |
0229 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | をののよし木 |
原文 |
をみなへし おほかるのへに やとりせは あやなくあたの 名をやたちなむ |
かな |
をみなへし おほかるのへに やとりせは あやなくあたの なをやたちなむ |
0230 | |
詞書 |
朱雀院のをみなへしあはせに よみてたてまつりける |
作者 |
左のおほいまうちきみ (左大臣。藤原時平?) |
原文 |
をみなへし 秋のの風に うちなひき 心ひとつを たれによすらむ |
かな |
をみなへし あきののかせに うちなひき こころひとつを たれによすらむ |
0231 | |
詞書 |
朱雀院のをみなへしあはせに よみてたてまつりける |
作者 | 藤原定方朝臣 |
原文 |
秋ならて あふことかたき をみなへし あまのかはらに おひぬものゆゑ |
かな |
あきならて あふことかたき をみなへし あまのかはらに おひぬものゆゑ |
0232 | |
詞書 |
朱雀院のをみなへしあはせに よみてたてまつりける |
作者 | つらゆき(紀貫之) |
原文 |
たか秋に あらぬものゆゑ をみなへし なそ色にいてて またきうつろふ |
かな |
たかあきに あらぬものゆゑ をみなへし なそいろにいてて またきうつろふ |
0233 | |
詞書 |
朱雀院のをみなへしあはせに よみてたてまつりける |
作者 | みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
つまこふる しかそなくなる 女郎花 おのかすむのの 花としらすや |
かな |
つまこふる しかそなくなる をみなへし おのかすむのの はなとしらすや |
0234 | |
詞書 |
朱雀院のをみなへしあはせに よみてたてまつりける |
作者 | みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
女郎花 ふきすきてくる 秋風は めには見えねと かこそしるけれ |
かな |
をみなへし ふきすきてくる あきかせは めにはみえねと かこそしるけれ |
0235 | |
詞書 |
朱雀院のをみなへしあはせに よみてたてまつりける |
作者 | たたみね(壬生忠岑) |
原文 |
人の見る 事やくるしき をみなへし 秋きりにのみ たちかくるらむ |
かな |
ひとのみる ことやくるしき をみなへし あききりにのみ たちかくるらむ |
0236 | |
詞書 |
朱雀院のをみなへしあはせに よみてたてまつりける |
作者 | たたみね(壬生忠岑) |
原文 |
ひとりのみ なかむるよりは 女郎花 わかすむやとに うゑて見ましを |
かな |
ひとりのみ なかむるよりは をみなへし わかすむやとに うゑてみましを |
0237 | |
詞書 |
ものへまかりけるに、人の家に をみなへしうゑたりけるを見てよめる |
作者 | 兼覧王 |
原文 |
をみなへし うしろめたくも 見ゆるかな あれたるやとに ひとりたてれは |
かな |
をみなへし うしろめたくも みゆるかな あれたるやとに ひとりたてれは |
0238 | |
詞書 |
寛平御時、 蔵人所のをのこともさかのに 花見むとてまかりたりける時、 かへるとてみな歌よみけるついてによめる |
作者 | 平さたふん(平貞文) |
原文 |
花にあかて なにかへるらむ をみなへし おほかるのへに ねなましものを |
かな |
はなにあかて なにかへるらむ をみなへし おほかるのへに ねなましものを |
0239 | |
詞書 | これさたのみこの家の歌合によめる |
作者 | としゆきの朝臣(藤原敏行) |
原文 |
なに人か きてぬきかけし ふちはかま くる秋ことに のへをにほはす |
かな |
なにひとか きてぬきかけし ふちはかま くるあきことに のへをにほはす |
0240 | |
詞書 | ふちはかまをよみて人につかはしける |
作者 | つらゆき(紀貫之) |
原文 |
やとりせし 人のかたみか ふちはかま わすられかたき かににほひつつ |
かな |
やとりせし ひとのかたみか ふちはかま わすられかたき かににほひつつ |
0241 | |
詞書 | ふちはかまをよめる |
作者 | そせい(素性法師) |
原文 |
ぬししらぬ かこそにほへれ 秋ののに たかぬきかけし ふちはかまそも |
かな |
ぬししらぬ かこそにほへれ あきののに たかぬきかけし ふちはかまそも |
0242 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | 平貞文 |
原文 |
今よりは うゑてたに見し 花すすき ほにいつる秋は わひしかりけり |
かな |
いまよりは うゑてたにみし はなすすき ほにいつるあきは わひしかりけり |
0243 | |
詞書 | 寛平御時きさいの宮の歌合のうた |
作者 | ありはらのむねやな(在原棟梁) |
原文 |
秋の野の 草のたもとか 花すすき ほにいててまねく 袖と見ゆらむ |
かな |
あきののの くさのたもとか はなすすき ほにいててまねく そてとみゆらむ |
0244 | |
詞書 | 寛平御時きさいの宮の歌合のうた |
作者 | 素性法師 |
原文 |
我のみや あはれとおもはむ きりきりす なくゆふかけの やまとなてしこ |
かな |
われのみや あはれとおもはむ きりきりす なくゆふかけの やまとなてしこ |
0245 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
みとりなる ひとつ草とそ 春は見し 秋はいろいろの 花にそありける |
かな |
みとりなる ひとつくさとそ はるはみし あきはいろいろの はなにそありける |
0246 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
ももくさの 花のひもとく 秋ののを 思ひたはれむ 人なとかめそ |
かな |
ももくさの はなのひもとく あきののを おもひたはれむ ひとなとかめそ |
0247 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
月草に 衣はすらむ あさつゆに ぬれてののちは うつろひぬとも |
かな |
つきくさに ころもはすらむ あさつゆに ぬれてののちは うつろひぬとも |
0248 | |
詞書 |
仁和のみかとみこにおはしましける時、 ふるのたき御覧せむとて おはしましけるみちに 遍昭かははの家にやとりたまへりける時に、 庭を秋ののにつくりておほむ物かたりのついてによみてたてまつりける |
作者 | 僧正遍昭 |
原文 |
さとはあれて 人はふりにし やとなれや 庭もまかきも 秋ののらなる |
かな |
さとはあれて ひとはふりにし やとなれや にはもまかきも あきののらなる |