目次 | |||||||||
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1001 不知 |
1002 貫之 |
1003 忠岑 |
1004 忠岑 |
1005 躬恒 |
1006 伊勢 |
1007 不知 |
1008 不知 |
1009 不知 |
1010 貫之 |
1011 不知 |
1012 素性 |
1013 敏行 |
1014 兼輔 |
1015 躬恒 |
1016 遍昭 |
1017 不知 |
1018 不知 |
1019 不知 |
1020 棟梁 |
1021 深養 |
1022 不知 |
1023 不知 |
1024 不知 |
1025 不知 |
1026 不知 |
1027 不知 |
1028 紀乳 |
1029 有友 |
1030 小町 |
1031 興風 |
1032 不知 |
1033 貞文 |
1034 淑人 |
1035 躬恒 |
1036 忠岑 |
1037 不知 |
1038 不知 |
1039 不知 |
1040 不知 |
1041 不知 |
1042 不知 |
1043 不知 |
1044 不知 |
1045 不知 |
1046 不知 |
1047 不知 |
1048 中興 |
1049 左大 |
1050 中興 |
1051 伊勢 |
1052 不知 |
1053 興風 |
1054 くそ |
1055 讃岐 |
1056 大輔 |
1057 不知 |
1058 不知 |
1059 不知 |
1060 不知 |
1061 不知 |
1062 元方 |
1063 不知 |
1064 興風 |
1065 千里 |
1066 不知 |
1067 躬恒 |
1068 不知 |
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※不知が51%(35/68)。 |
1001 | |
---|---|
詞書 | 短歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
題 | あはむとおもへは |
歌 | あふことの まれなるいろに おもひそめ わかみはつねに あまくもの はるるときなく ふしのねの もえつつとはに おもへとも あふことかたし なにしかも ひとをうらみむ わたつみの おきをふかめて おもひてし おもひをいまは いたつらに なりぬへらなり ゆくみつの たゆるときなく かくなわに おもひみたれて ふるゆきの けなはけぬへく おもへとも えふのみなれは なほやます おもひはふかし あしひきの やましたみつの こかくれて たきつこころを たれにかも あひかたらはむ いろにいては ひとしりぬへみ すみそめの ゆふへになれは ひとりゐて あはれあはれと なけきあまり せむすへなみに にはにいてて たちやすらへは しろたへの ころものそてに おくつゆの けなはけぬへく おもへとも なほなけかれぬ はるかすみ よそにもひとに あはむとおもへは |
1002 | |
詞書 |
短歌:ふるうたたてまつりし時の もくろくのそのなかうた |
作者 | つらゆき(紀貫之) |
題 | もりやしぬらむ |
歌 | ちはやふる かみのみよより くれたけの よよにもたえす あまひこの おとはのやまの はるかすみ おもひみたれて さみたれの そらもととろに さよふけて やまほとときす なくことに たれもねさめて からにしき たつたのやまの もみちはを みてのみしのふ かみなつき しくれしくれて ふゆのよの にはもはたれに ふるゆきの なほきえかへり としことに ときにつけつつ あはれてふ ことをいひつつ きみをのみ ちよにといはふ よのひとの おもひするかの ふしのねの もゆるおもひも あかすして わかるるなみた ふちころも おれるこころも やちくさの ことのはことに すめらきの おほせかしこみ まきまきの うちにつくすと いせのうみの うらのしほかひ ひろひあつめ とれりとすれと たまのをの みしかきこころ おもひあへす なほあらたまの としをへて おほみやにのみ ひさかたの ひるよるわかす つかふとて かへりみもせぬ わかやとの しのふくさおふる いたまあらみ ふるはるさめの もりやしぬらむ |
1003 | |
詞書 |
短歌:ふるうたにくはへて たてまつれるなかうた |
作者 | 壬生忠岑 |
題 | わかえつつ見む |
歌 | くれたけの よよのふること なかりせは いかほのぬまの いかにして おもふこころを のはへまし あはれむかしへ ありきてふ ひとまろこそは うれしけれ みはしもなから ことのはを あまつそらまて きこえあけ すゑのよよまて あととなし いまもおほせの くたれるは ちりにつけとや ちりのみに つもれることを とはるらむ これをおもへは けたものの くもにほえけむ ここちして ちちのなさけも おもほえす ひとつこころそ ほこらしき かくはあれとも てるひかり ちかきまもりの みなりしを たれかはあきの くるかたに あさむきいてて みかきもり とのへもるみの みかきより をさをさしくも おもほえす ここのかさねの なかにては あらしのかせも きかさりき いまはのやまし ちかけれは はるはかすみに たなひかれ なつはうつせみ なきくらし あきはしくれに そてをかし ふゆはしもにそ せめらるる かかるわひしき みなからに つもれるとしを しるせれは いつつのむつに なりにけり これにそはれる わたくしの おいのかすさへ やよけれは みはいやしくて としたかき ことのくるしさ かくしつつ なからのはしの なからへて なにはのうらに たつなみの なみのしわにや おほほれむ さすかにいのち をしけれは こしのくになる しらやまの かしらはしろく なりぬとも おとはのたきの おとにきく おいすしなすの くすりかも きみかやちよを わかえつつみむ |
1004 | |
詞書 |
短歌:ふるうたにくはへて たてまつれるなかうた(反歌) |
作者 | 壬生忠岑 |
原文 |
君か世に あふさか山の いはし水 こかくれたりと 思ひけるかな |
かな |
きみかよに あふさかやまの いはしみつ こかくれたりと おもひけるかな |
1005 | |
詞書 | 冬のなかうた |
作者 | 凡河内躬恒 |
題 | すくしつるかな |
歌 | ちはやふる かみなつきとや けさよりは くもりもあへす はつしくれ もみちとともに ふるさとの よしののやまの やまあらしも さむくひことに なりゆけは たまのをとけて こきちらし あられみたれて しもこほり いやかたまれる にはのおもに むらむらみゆる ふゆくさの うへにふりしく しらゆきの つもりつもりて あらたまの としをあまたも すくしつるかな |
1006 | |
詞書 |
七条のきさきうせたまひにける のちによみける |
作者 | 伊勢(伊勢の御) |
題 | よそにこそ見め |
歌 | おきつなみ あれのみまさる みやのうちは としへてすみし いせのあまも ふねなかしたる ここちして よらむかたなく かなしきに なみたのいろの くれなゐは われらかなかの しくれにて あきのもみちと ひとひとは おのかちりちり わかれなは たのむかけなく なりはてて とまるものとは はなすすき きみなきにはに むれたちて そらをまかねは はつかりの なきわたりつつ よそにこそみめ |
1007 | |
詞書 | 旋頭歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
うちわたす をち方人に 物まうすわれ そのそこに しろくさけるは なにの花そも |
かな |
うわたす をちかたひとに ものまうすわれ そのそこに しろくさけるは なにのはなそも |
1008 | |
詞書 | 旋頭歌:返し |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
君されは のへにまつさく 見れとあかぬ花 まひなしに たたなのるへき 花のななれや |
かな |
はるされは のへにまつさく みれとあかぬはな まひなしに たたなのるへき はなのななれや |
1009 | |
詞書 | 旋頭歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
はつせ河 ふるかはのへに ふたもとあるすき 年をへて 又もあひ見む ふたもとあるすき |
かな |
はつせかは ふるかはのへに ふたもとあるすき としをへて またもあひみむ ふたもとあるすき |
1010 | |
詞書 | 旋頭歌:題しらす |
作者 | つらゆき(紀貫之) |
原文 |
きみかさす みかさの山の もみちはのいろ 神な月 しくれのあめの そめるなりけり |
かな |
きみかさす みかさのやまの もみちはのいろ かみなつき しくれのあめの そめるなりけり |
1011 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
梅花 見にこそきつれ 鶯の 人く人くと いとひしもをる |
かな |
うめのはな みにこそきつれ うくひすの ひとくひとくと いとひしもをる |
1012 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 素性法師 |
原文 |
山吹の 花色衣 ぬしやたれ とへとこたへす くちなしにして |
かな |
やまふきの はないろころも ぬしやたれ とへとこたへす くちなしにして |
1013 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 藤原敏行朝臣 |
原文 |
いくはくの 田をつくれはか 郭公 してのたをさを あさなあさなよふ |
かな |
いくはくの たをつくれはか ほとときす してのたをさを あさなあさなよふ |
1014 | |
詞書 | 誹諧歌:七月六日たなはたの心をよみける |
作者 | 藤原かねすけの朝臣(藤原兼輔) |
原文 |
いつしかと またく心を はきにあけて あまのかはらを けふやわたらむ |
かな |
いつしかと またくこころを はきにあけて あまのかはらを けふやわたらむ |
1015 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | 凡河内みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
むつことも またつきなくに あけぬめり いつらは秋の なかしてふよは |
かな |
むつことも またつきなくに あけぬめり いつらはあきの なかしてふよは |
1016 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | 僧正へんせう(遍昭、良岑宗貞) |
原文 |
秋ののに なまめきたてる をみなへし あなかしかまし 花もひと時 |
かな |
あきののに なまめきたてる をみなへし あなかしかまし はなもひととき |
1017 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
あきくれは のへにたはるる 女郎花 いつれの人か つまて見るへき |
かな |
あきくれは のへにたはるる をみなへし いつれのひとか つまてみるへき |
1018 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
秋きりの はれてくもれは をみなへし 花のすかたそ 見えかくれする |
かな |
あききりの はれてくもれは をみなへし はなのすかたそ みえかくれする |
1019 | |
詞書 | 題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
花と見て をらむとすれは をみなへし うたたあるさまの 名にこそ有りけれ |
かな |
はなとみて をらむとすれは をみなへし うたたあるさまの なにこそありけれ |
1020 | |
詞書 | 誹諧歌:寛平御時きさいの宮の歌合のうた |
作者 | 在原むねやな(在原棟梁) |
原文 |
秋風に ほころひぬらし ふちはかま つつりさせてふ 蟋蟀なく |
かな |
あきかせに ほころひぬらし ふちはかま つつりさせてふ きりきりすなく |
1021 | |
詞書 |
誹諧歌:あすはるたたむとしける日、 となりの家のかたより風の雪をふきこしけるを見て、そのとなりへよみてつかはしける |
作者 | 清原ふかやふ(清原深養父) |
原文 |
冬なから 春の隣の ちかけれは なかかきよりそ 花はちりける |
かな |
ふゆなから はるのとなりの ちかけれは なかかきよりそ はなはちりける |
1022 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
いそのかみ ふりにしこひの 神さひて たたるに我は いそねかねつる |
かな |
いそのかみ ふりにしこひの かみさひて たたるにわれは いそねかねつる |
1023 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
枕より あとよりこひの せめくれは せむ方なみそ とこなかにをる |
かな |
まくらより あとよりこひの せめくれは せむかたなみそ とこなかにをる |
1024 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
こひしきか 方も方こそ 有りときけ たてれをれとも なき心ちかな |
かな |
こひしきか かたもかたこそ ありときけ たてれをれとも なきここちかな |
1025 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
ありぬやと 心みかてら あひ見ねは たはふれにくき まてそこひしき |
かな |
ありぬやと こころみかてら あひみねは たはふれにくき まてそこひしき |
1026 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
みみなしの 山のくちなし えてしかな 思ひの色の したそめにせむ |
かな |
みみなしの やまのくちなし えてしかな おもひのいろの したそめにせむ |
1027 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
葦引の 山田のそほつ おのれさへ 我をほしてふ うれはしきこと |
かな |
あしひきの やまたのそほつ おのれさへ われをほしてふ うれはしきこと |
1028 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | きのめのと(紀乳母) |
原文 |
ふしのねの ならぬおもひに もえはもえ 神たにけたぬ むなしけふりを |
かな |
ふしのねの ならぬおもひに もえはもえ かみたにけたぬ むなしけふりを |
1029 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | きのありとも(紀有友) |
原文 |
あひ見まく 星はかすなく 有りなから 人に月なみ 迷ひこそすれ |
かな |
あひみまく ほしはかすなく ありなから ひとにつきなみ まよひこそすれ |
1030 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 小野小町 |
原文 |
人にあはむ 月のなきには 思ひおきて むねはしり火に 心やけをり |
かな |
ひとにあはむ つきのなきには おもひおきて むねはしりひに こころやけをり |
1031 | |
詞書 | 誹諧歌:寛平御時きさいの宮の歌合のうた |
作者 | 藤原おきかせ(藤原興風) |
原文 |
春霞 たなひくのへの わかなにも なり見てしかな 人もつむやと |
かな |
はるかすみ たなひくのへの わかなにも なりみてしかな ひともつむやと |
1032 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
おもへとも 猶うとまれぬ 春霞 かからぬ山も あらしとおもへは |
かな |
おもへとも なほうとまれぬ はるかすみ かからぬやまも あらしとおもへは |
1033 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 平貞文 |
原文 |
春の野の しけき草はの つまこひに とひたつきしの ほろろとそなく |
かな |
はるののの しけきくさはの つまこひに とひたつきしの ほろろとそなく |
1034 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | きのよしひと(紀淑人) |
原文 |
秋ののに つまなきしかの 年をへて なそわかこひの かひよとそなく |
かな |
あきののに つまなきしかの としをへて なそわかこひの かひよとそなく |
1035 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
蝉の羽の ひとへにうすき 夏衣 なれはよりなむ 物にやはあらぬ |
かな |
せみのはの ひとへにうすき なつころも なれはよりなむ ものにやはあらぬ |
1036 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | たたみね(壬生忠岑) |
原文 |
かくれぬの したよりおふる ねぬなはの ねぬなはたてし くるないとひそ |
かな |
かくれぬの したよりおふる ねぬなはの ねぬなはたてし くるないとひそ |
1037 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
ことならは 思はすとやは いひはてぬ なそ世中の たまたすきなる |
かな |
ことならは おもはすとやは いひはてぬ なそよのなかの たまたすきなる |
1038 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
おもふてふ 人の心の くまことに たちかくれつつ 見るよしもかな |
かな |
おもふてふ ひとのこころの くまことに たちかくれつつ みるよしもかな |
1039 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
思へとも おもはすとのみ いふなれは いなやおもはし 思ふかひなし |
かな |
おもへとも おもはすとのみ いふなれは いなやおもはし おもふかひなし |
1040 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
我をのみ 思ふといはは あるへきを いてや心は おほぬさにして |
かな |
われをのみ おもふといはは あるへきを いてやこころは おほぬさにして |
1041 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
われを思ふ 人をおもはぬ むくいにや わか思ふ人の 我をおもはぬ |
かな |
われをおもふ ひとをおもはぬ むくひにや わかおもふひとの われをおもはぬ |
1042 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 |
よみ人しらす (一本、ふかやふ(清原深養父)) |
原文 |
思ひけむ 人をそともに おもはまし まさしやむくい なかりけりやは |
かな |
おもひけむ ひとをそともに おもはまし まさしやむくひ なかりけりやは |
1043 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
いててゆかむ 人をととめむ よしなきに となりの方に はなもひぬかな |
かな |
いててゆかむ ひとをととめむ よしなきに となりのかたに はなもひぬかな |
1044 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
紅に そめし心も たのまれす 人をあくには うつるてふなり |
かな |
くれなゐに そめしこころも たのまれす ひとをあくには うつるてふなり |
1045 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
いとはるる わか身ははるの こまなれや のかひかてらに はなちすてつる |
かな |
いとはるる わかみははるの こまなれや のかひかてらに はなちすてつる |
1046 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
鶯の こそのやとりの ふるすとや 我には人の つれなかるらむ |
かな |
うくひすの こそのやとりの ふるすとや われにはひとの つれなかるらむ |
1047 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
さかしらに 夏は人まね ささのはの さやくしもよを わかひとりぬる |
かな |
さかしらに なつはひとまね ささのはの さやくしもよを わかひとりぬる |
1048 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 平中興 |
原文 |
逢ふ事の 今ははつかに なりぬれは 夜ふかからては 月なかりけり |
かな |
あふことの いまははつかに なりぬれは よふかからては つきなかりけり |
1049 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 左のおほいまうちきみ |
原文 |
もろこしの よしのの山に こもるとも おくれむと思ふ 我ならなくに |
かな |
もろこしの よしののやまに こもるとも おくれむとおもふ われならなくに |
1050 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | なかき(平中興) |
原文 |
雲はれぬ あさまの山の あさましや 人の心を 見てこそやまめ |
かな |
くもはれぬ あさまのやまの あさましや ひとのこころを みてこそやまめ |
1051 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 伊勢(伊勢の御) |
原文 |
なにはなる なからのはしも つくるなり 今はわか身を なににたとへむ |
かな |
なにはなる なからのはしも つくるなり いまはわかみを なににたとへむ |
1052 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
まめなれと なにそはよけく かるかやの みたれてあれと あしけくもなし |
かな |
まめなれと なにそはよけく かるかやの みたれてあれと あしけくもなし |
1053 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | おきかせ(藤原興風) |
原文 |
なにかその 名の立つ事の をしからむ しりてまとふは 我ひとりかは |
かな |
なにかその なのたつことの をしからむ しりてまとふは われひとりかは |
1054 | |
詞書 |
誹諧歌:いとこなりけるを とこによそへて人のいひけれは |
作者 | くそ(久曽・『目録』。詳細不明) |
原文 |
よそなから わか身にいとの よるといへは たたいつはりに すくはかりなり |
かな |
よそなから わかみにいとの よるといへは たたいつはりに すくはかりなり |
1055 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | さぬき(讃岐・『目録』。詳細不明) |
原文 |
ねき事を さのみききけむ やしろこそ はてはなけきの もりとなるらめ |
かな |
ねきことを さのみききけむ やしろこそ はてはなけきの もりとなるらめ |
1056 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 大輔(詳細不明) |
原文 |
なけきこる 山としたかく なりぬれは つらつゑのみそ まつつかれける |
かな |
なけきこる やまとしたかく なりぬれは つらつゑのみそ まつつかれける |
1057 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
なけきをは こりのみつみて あしひきの 山のかひなく なりぬへらなり |
かな |
なけきをは こりのみつみて あしひきの やまのかひなく なりぬへらなり |
1058 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
人こふる 事をおもにと になひもて あふこなきこそ わひしかりけれ |
かな |
ひとこふる ことをおもにと になひもて あふこなきこそ わひしかりけれ |
1059 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
よひのまに いてていりぬる みか月の われて物思ふ ころにもあるかな |
かな |
よひのまに いてていりぬる みかつきの われてものおもふ ころにもあるかな |
1060 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
そゑにとて とすれはかかり かくすれは あないひしらす あふさきるさに |
かな |
そゑにとて とすれはかかり かくすれは あないひしらす あふさきるさに |
1061 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
世中の うきたひことに 身をなけは ふかき谷こそ あさくなりなめ |
かな |
よのなかの うきたひことに みをなけは ふかきたにこそ あさくなりなめ |
1062 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 在原元方 |
原文 |
よのなかは いかにくるしと 思ふらむ ここらの人に うらみらるれは |
かな |
よのなかは いかにくるしと おもふらむ ここらのひとに うらみらるれは |
1063 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
なにをして 身のいたつらに おいぬらむ 年のおもはむ 事そやさしき |
かな |
なにをして みのいたつらに おいぬらむ としのおもはむ ことそやさしき |
1064 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | おきかせ(藤原興風) |
原文 |
身はすてつ 心をたにも はふらさし つひにはいかか なるとしるへく |
かな |
みはすてつ こころをたにも はふらさし つひにはいかか なるとしるへく |
1065 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | 千さと(大江千里) |
原文 |
白雪の 友にわか身は ふりぬれと 心はきえぬ 物にそありける |
かな |
しらゆきの ともにわかみは ふりぬれと こころはきえぬ ものにそありける |
1066 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
梅花 さきてののちの 身なれはや すき物とのみ 人のいふらむ |
かな |
うめのはな さきてののちの みなれはや すきものとのみ ひとのいふらむ |
1067 | |
詞書 |
誹諧歌: 法皇にし河におはしましたりける日、 さる山のかひにさけふといふことを 題にてよませたまうける |
作者 | みつね(凡河内躬恒) |
原文 |
わひしらに ましらななきそ あしひきの 山のかひある けふにやはあらぬ |
かな |
わひしらに ましらななきそ あしひきの やまのかひある けふにやはあらぬ |
1068 | |
詞書 | 誹諧歌:題しらす |
作者 | よみ人しらす |
原文 |
世をいとひ このもとことに たちよりて うつふしそめの あさのきぬなり |
かな |
よをいとひ このもとことに たちよりて うつふしそめの あさのきぬなり |