原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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故被賜其孃子之後。 | かれその孃子を賜はりて後に、 | その孃子を賜わつてから後に |
太子歌曰。 |
太子ひつぎのみこの 歌よみしたまひしく、 |
太子の お詠みになつた歌、 |
美知能斯理 | 道の後しり | 遠い國の |
古波陀袁登賣袁 | 古波陀孃子こはだをとめを、 | 古波陀こはだのお孃さんを、 |
迦微能碁登 | 雷かみのごと | 雷鳴かみなりのように |
岐許延斯迦杼母 | 聞えしかども | 音高く聞いていたが、 |
阿比麻久良麻久 | 相枕あひまくら纏まく。 | わたしの妻つまとしたことだつた。 |
又歌曰。 | また、歌よみしたまひしく、 | また、 |
美知能斯理 | 道の後 | 遠い國の |
古波陀袁登賣波 | 古波陀孃子は、 | 古波陀こはだのお孃さんが、 |
阿良蘇波受 | 爭はず | 爭わずに |
泥斯久袁斯叙母 | 寢しくをしぞも、 | わたしの妻となつたのは、 |
宇流波志美意母布 | 愛うるはしみ思おもふ。 | かわいい事さね。 |
と歌ひたまひき。 |