原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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又御歌曰。 | また、御歌よみしたまひしく、 | また、 |
美豆多麻流 | 水渟たまる | 水のたまつている |
余佐美能伊氣能 | 依網よさみの池の | 依網よさみの池の |
韋具比宇知「比斯」賀 | 堰杙ゐぐひ打ちが | 堰杙せきくいを打うつてあつたのを |
「良能」佐斯祁流 斯良邇 | 刺しける知らに、 | 知しらずに |
奴那波久理 | ぬなは繰くり | ジュンサイを手繰たぐつて |
波閇祁久斯良邇 | 延はへけく知らに、 | 手の延びていたのを知しらずに |
和賀許許呂志(叙) | 吾が心しぞ | |
伊夜袁許邇斯弖 | いやをこにして | 氣のつかない事をして |
伊麻叙久夜斯岐 | 今ぞ悔しき。 | 殘念だつた。 |
如此歌而賜也。 | と、かく歌ひて賜ひき。 | かようにお歌いになつて賜わりました。 |