原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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於是覆奏言。 | ここに覆奏かへりごとまをさく、 | そこで御返事申し上げることには、 |
因拜大神。 | 「大神を拜みたまへるに因りて、 | 「出雲の大神を拜みましたによつて、 |
大御子物詔故。 | 大御子おほみこ物もの詔のりたまひつ。 | 大御子が物を仰せになりますから |
參上來。 |
かれまゐ上り來つ」 とまをしき。 |
上京して參りました」 と申し上げました。 |
故天皇歡喜。 | かれ天皇歡ばして、 | そこで天皇がお歡びになつて、 |
即返菟上王。 | すなはち菟上うながみの王を返して、 | ウナガミの王を返して |
令造神宮。 | 神宮を造らしめたまひき。 | 神宮を造らしめました。 |
於是天皇。 | ここに天皇、 | そこで天皇は、 |
因其御子。 | その御子に因りて | その御子のために |
定 鳥取部。 |
鳥取部ととりべ、 | 鳥取部・ |
鳥甘部。 | 鳥甘とりかひ、 | 鳥甘とりかい・ |
品遲部。 | 品遲部ほむぢべ、 | 品遲部ほむじべ・ |
大湯坐。 | 大湯坐おほゆゑ、 | 大湯坐おおゆえ・ |
若湯坐。 |
若湯坐わかゆゑを 定めたまひき。 |
若湯坐をお定めになりました。 |