原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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又仰 伊迦賀色許男命。 |
また伊迦賀色許男 いかがしこをの命に仰せて、 |
イカガシコヲの命に命じて |
作天之 八十毘羅訶。 〈此三字以音(也)〉 |
天の八十平瓮 やそひらかを作り、 |
祭に使う皿を 澤山作り、 |
定奉。 天神 地祇之社。 |
天つ神 地くにつ祇かみの社を 定めまつりたまひき。 |
天地の神々の社を お定め申しました。 |
又於宇陀 墨坂神。 |
また宇陀うだの 墨坂すみさかの神に、 |
また宇陀うだの 墨坂すみさかの神に |
祭赤色 楯矛。 |
赤色の 楯矛たてほこを祭り、 |
赤い色の 楯たて矛ほこを獻り、 |
又於大坂神。 | また大坂おほさかの神に、 | 大坂の神に |
祭黒色楯矛。 | 墨色の楯矛を祭り、 | 墨の色の楯矛を獻り、 |
又於 坂之御尾神。 |
また 坂さかの御尾みをの神、 |
また坂の上の神や |
及河瀬神。 | 河かはの瀬せの神までに、 | 河の瀬の神に至るまでに |
悉無遺忘。 | 悉に遺忘おつることなく | 悉く殘るところなく |
以奉幣帛也。 | 幣帛ぬさまつりたまひき。 | 幣帛へいはくを獻りました。 |
因此而。 疫氣悉息。 |
これに因りて 役えの氣け悉に息やみて、 |
これによつて 疫病えきびようが止んで |
國家安平也。 | 國家みかど安平やすらぎき。 | 國家が平安になりました。 |