原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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即於 丸邇坂。 |
遣す時に、 すなはち丸邇坂わにさかに |
その時に 丸邇坂わにさかに |
居忌瓮而。 |
忌瓮いはひべを居すゑて、 |
清淨な瓶を据えてお祭をして |
罷往。 | 罷り往いでましき。 | 行きました。 |
於是到 山代之 和訶羅河時。 |
ここに 山代の 和訶羅わから河に 到れる時に、 |
さて山城の ワカラ河に 行きました時に、 |
其 建波邇安王。 興軍待遮。 |
その 建波邇安の王、 軍を興して、待ち遮り、 |
果して タケハニヤスの王が 軍を興して待つており、 |
各中 挾河而。 對立相挑。 |
おのもおのも 河を中にはさみて、 對むき立ちて相挑いどみき。 |
互に河を挾んで 對むかい立つて 挑いどみ合いました。 |
故號其地。 謂伊杼美。 |
かれ其地そこに名づけて、 伊杼美いどみといふ。 |
それで其處の名を イドミというのです。 |
〈今謂 伊豆美也〉 |
(今は 伊豆美といふ) |
今では イヅミと言つております。 |