原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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即天皇 歌曰。 |
すなはち天皇 歌よみしたまひしく、 |
天皇の お歌いになりました御歌は、 |
毛毛志記能 | ももしきの | |
淤富美夜比登波 | 大宮人おほみやひとは、 | 宮廷に仕える人々は、 |
宇豆良登理 | 鶉鳥うづらとり | 鶉うずらのように |
比禮登理加氣弖 | 領布ひれ取り掛けて | 頭巾ひれを懸けて、 |
麻那婆志良 | 鶺鴒まなばしら | 鶺鴒せきれいのように |
袁由岐阿閇 | 尾行き合へ | 尾を振り合つて |
爾波須受米 | 庭雀にはすずめ、 | 雀のように |
宇受須麻理韋弖 | うずすまり居て | 前に進んでいて |
祁布母加母 | 今日もかも | 今日もまた |
佐加美豆久良斯 | 酒さかみづくらし。 | 酒宴をしているもようだ。 |
多加比加流 | 高光る | りつぱな |
比能美夜比登 | 日の宮人。 | 宮廷の人々。 |
許登能 | 事の | 事の |
加多理碁登母 | 語りごとも | 語り傳えは |
許袁婆 | こをば。 | かようでございます。 |
此三歌者。 | この三歌は、 | この三首の歌は |
天語歌也。 | 天語あまがたり歌なり。 | 天語歌あまがたりうたです。 |