原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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又歌曰。 | また歌よみしたまひしく、 | また、 |
佐佐波爾 | 笹葉ささはに | 笹ささの葉はに |
宇都夜阿良禮能 | うつや霰の、 | 霰あられが音おとを立たてる。 |
多志陀志爾 | たしだしに | そのようにしつかりと |
韋泥弖牟能知波 | 率寢ゐねてむ後のちは | 共に寢た上は、 |
比登波加由登母 | 人は離かゆとも。 | よしや君きみは別わかれても。 |
宇流波斯登 | うるはしと | いとしの妻と |
佐泥斯佐泥弖婆 | さ寢ねしさ寢てば | 寢たならば、 |
加理許母能 | 刈薦ごもの | 刈り取つた薦草こもくさのように |
美陀禮婆美陀禮 | 亂れば亂れ。 | 亂れるなら亂れてもよい。 |
佐泥斯佐泥弖婆 | さ寢しさ寢てば。 | 寢てからはどうともなれ。 |
此者。 夷振之上歌也。 |
こは夷振ひなぶりの 上歌あげうたなり。 |
これは夷振ひなぶりの 上歌あげうたです。 |