原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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於是天皇。 | ここに天皇、 | ここに天皇が |
愁 天下。 氏氏名名人等之。 氏姓 忤過而。 |
天の下の 氏氏名名の人どもの、 氏姓かばねが 忤たがひ過あやまてることを 愁へまして、 |
天下の 氏々の人々の、 氏姓うじかばねの 誤あやまつているのを お歎きになつて、 |
於味白檮之。 言八十禍津日前。 |
味白檮うまかしの 言八十禍津日 ことやそまがつひの前さきに、 |
大和のウマカシの 言八十禍津日 ことやそまがつひの埼さきに |
居玖訶瓮而。 〈玖訶二字以音〉 |
玖訶瓮くかべを据ゑて、 | クカ瓮べを据えて、 |
定賜天下之。 八十友緒 氏姓也。 |
天の下の 八十伴やそともの緒をの 氏姓を定めたまひき。 |
天下の臣民たちの 氏姓をお定めになりました。 |
又爲木梨之 輕太子 御名代。 |
また木梨きなしの 輕かるの太子 ひつぎのみこの御名代として、 |
またキナシノカルの太子の 御名の記念として |
定輕部。 | 輕部かるべを定め、 | 輕部をお定めになり、 |
爲大后御名代。 | 大后の御名代として、 | 皇后樣の御名の記念として |
定刑部。 | 刑部おさかべを定め、 | 刑部おさかべをお定めになり、 |
爲大后之弟。 田井中比賣 御名代。 |
大后の弟 田井たゐの中なかつ比賣の 御名代として、 |
皇后樣の妹の タヰノナカツ姫の 御名の記念として |
定河部也。 | 河部かはべを定めたまひき。 | 河部をお定めになりました。 |