原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人 要検討 |
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子曰 | 子曰く、 | 先師が門人たちにいわれた。 |
小子 | 小子せうし | 「お前たちは |
何莫學夫 《詩》 |
何なんぞ夫かの詩しを 学まなぶ莫なき。 |
どうして詩経を 学ぼうとしないのか。 |
《詩》 可以興 |
詩しは 以もつて興おこす可べし、 |
詩は 人間の精神にいい刺戟を与えてくれる。 |
可以觀 | 以もつて観みるべし、 | 人間に人生を見る眼を与えてくれる。 |
可以群 | 以もつて羣ぐんす可べし、 | 人とともに生きるこころを培ってくれる。 |
可以怨 | 以もつて怨うらむ可べし、 | また、怨み心を美しく表現する技術をさえ教えてくれる。 |
邇之 事父 |
之これを邇ちかくしては 父ちゝに事つかへ、 |
詩が真に味わえてこそ、近くは 父母に仕え、 |
遠之 事君 |
之これを遠とほくしては 君きみに事つかふ、 |
遠くは 君に仕えることも出来るのだ。 |
多識於 鳥獸 草木 之名 |
多おほく 鳥獸てうじう 草木さうもくの 名なを知しる。 |
しかも、われわれは、詩をよむことによって、 鳥獣草本のような 自然界のあらゆるものに親しむことまで 出来るのではないか。」 |