原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人 要検討 |
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子曰 | 子曰く、 | 先師がいわれた。 |
知及之 | 知ち之これに及およべども、 | 「知見においては為政者としての地位を得るに十分でも、 |
仁不能守之 | 仁じん之これを守まもる能あたはざれば、 | 仁徳を以てそれを守ることが出来なければ、 |
雖得之 | 之これを得うると雖いへども、 | 得た地位は |
必失之 | 必かならず之これを失うしなふ。 | 必ず失われる。 |
知及之 | 知ち之これに及および、 | 知見において十分であり、 |
仁能守之 | 仁じん能よく之これを守まもるも、 | 仁徳をもって地位を守り得ても、 |
不莊以蒞之 | 荘さう以もつて之これに蒞のぞまざれば、 | 荘重な態度で人民に臨まなければ、 |
則民不敬 | 則すなはち民たみ敬けいせず。 | 人民は敬服しない。 |
知及之 | 知ち之これに及び、 | 知見において十分であり、 |
仁能守之 | 仁じん能よく之これを守まもり、 | 仁徳をもって地位を守ることが出来、 |
莊以蒞之 | 荘さう以て之に蒞のぞめども、 | 荘重な態度で民に臨んでも、 |
動之不以禮 | 之これを動うごかすに礼れいを以もつてせざれば、 | 人民を動かすのに礼をもってしなければ、 |
未善也 | 未いまだ善よからざるなり。 | まだ真に善政であるとはいえない。」 |