原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 独自 |
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子曰 | 子曰く、 | 孔子曰く、 |
上 好禮 |
上かみ 礼れいを好このめば、 |
上が 礼を好むなら (不遜でなければ) |
則民 易使也 |
民たみ 使つかひ易やすし。 |
民を 用い易くなる。 |
以下、下村湖人の訳 | ||
× 先師がいわれた。 「為政者が 礼を好むと、 人民は 快く義務をつくすようになる。」 |
【ここでの礼は①礼節の他、②ありがとうの礼と解する。あと③謝礼。公にできる額の。職務を公にできない人は公人になる資格がない。機密は機動性を優先し手続を前後させたに過ぎず、先進国では必ず公開されるが、野蛮な後進国では確実に黒塗りの後、破棄される。
下村氏は戦前教育者なのでさておき、保守層は義務を好んで用いるが、そういう人はどれほど義務を尽くしているか(14-29:言葉が行いより過ぎるのを恥じるのが君子)。
民衆以上の義務(ノーブレスオブリージュ。日本にない貴い貴族の概念なので英語)も果たせず、華美を好む豪族・成金が上の立場で人に説ける道理がない。民に申告義務を課し、為政はコストがかかる禍根が残ると申告を拒む。高級飲食にコストをかける民衆ほど睨みをきかせて徴収するため、公金私物化を天に自白しているとも分からない(天網恢恢疎にして漏らさず)。まさに悪鬼。
上に立つ者の規範がなく、自分達が決めれば何でもありにできると思う、これ即ち無法状態。
ひるがえり、本章(民易使)の論理は、「上」は公的機関・使用者・給料を上げ下げできる上級職、「民」は公務員や一般社会の被用者とするしか妥当な内容にならない。
日本では、口先だけでなく苦労に報いる謝礼を好むと働こうと思う。口先だけで賃金を上げよと民間(下)に丸投げし、内輪と裏だけで金を回し実質賃金を下げ続ける基本姿勢を根本から改めること。といってもそれらの頭は当初から固まっていて成長できない。その意味で従来の政治人員に注文し続けるのは徒労】