原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人 要検討 |
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(誠不以富亦祇以異) | ||
先師がいわれた。 | ||
齊景公 有馬千駟 |
斉せいの景公けいこう 馬うま千駟せんし有あり、 |
「斉の景公は 馬四千頭を養っていたほど富んでいたが、 |
死之日 | 死しするの日ひ、 | その死にあたって、 |
民無德而稱焉 | 民たみ徳とくとして称しようする無なし、 | 人民はだれ一人としてその徳をたたえるものがなかった。 |
伯夷叔齊 餓於首陽之下 |
伯夷はくい叔斉しゆくせい 首陽しゆやうの下もとに餓がす。 |
伯夷叔斉は首陽山のふもとで饑死したが、 |
民 到于今 稱之 |
民たみ 今いまに到いたるまで 之これを称しようす、 |
人民は 今にいたるまで その徳をたたえている。 |
其斯之謂與 | 其それ斯これの謂いひか。 |
詩経に、黄金も玉も何かせん心ばえこそ尊けれ。 とあるが、そういうことをいったものであろう。」 |