原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人 要検討 |
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季子然 問 |
季子然きしぜん 問とふ。 |
季子然きしぜんがたずねた。 |
仲由 冉求 可謂 大臣與 |
仲由ちういう、 冉求ぜんきうは 大臣だいじんと 謂いふべきか。 |
「仲由ちゅうゆうと 冉求ぜんきゅうとは 大臣たいしんと いってもいい人物でございましょうね。」 |
子曰 | 子曰く、 | 先師がこたえられた。 |
吾以子爲異之問 | 吾われ子しを以もつて異ことなるの問とひと為なす。 | 「私はまた誰かもつと非凡な人物についてのおたずねかと思っておりましたが、 |
曾由與求之問 | 曾すなはち由いうと求きうとの問とひか。 | 由や求のことでございましたか。 |
所謂大臣者 | 所謂いはゆる大臣だいじんとは、 | お言葉にありました大臣と申しますのは、 |
以道事君 | 道みちを以もつて君きみに事つかふ、 | 道をもって君に仕え、 |
不可則止 | 不可ふかなれば則すなはち止やむ。 | 道が行われなければ直ちに身を退くような人をいうのでありまして、 |
今由與求也 | 今いま由いうと求きうとは、 | 由や求にはまだ及びもつかないことでございます。二人は |
可謂具臣矣 | 具臣ぐしんと謂いふ可べきなり。 | せいぜい忠実に政務を執るぐらいの、いわば具臣ぐしんとでも申すべき人物でございましょう。」 |
曰 | 曰いはく、 | 季子然がまたたずねた。 |
然則從之者與 | 然しからば則すなはち之これに從したがふ者もの与か。 | 「では、二人は主命には絶対に従うでしょうね。」 |
子曰 | 子曰く、 | すると、先師はこたえられた。 |
弒父與君 | 父ちゝと君きみとを弑しいせば、 | 「彼等といえども、まさか君父を弑するような命令には |
亦不從也 | 亦また從したがはざるなり。 | 従いますまい。」 |