原文 |
書き下し 漢文叢書 |
現代語訳 下村湖人+【独自】 要検討 |
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顏淵死 | 顏淵がんゑん死しす。 | 顔渕が死んだ。 |
門人 欲 厚葬之 |
門人もんじん 厚あつく之これを葬ほうむ らんと欲ほつす。 |
門人たちが 彼のために葬儀を盛大に しようともくろんだ。 |
子曰 | 子曰く、 | 先師はそれを |
不可 | 不可ふかなり。 | 「いけない」といって、とめられたが、 |
門人 厚葬之 |
門人もんじん 厚あつく之これを葬ほうむる。 |
門人たちは かまわず盛大な葬儀をやってしまった。 |
子曰 | 子曰く、 | すると先師はいわれた。 |
回也 | 回くわいや | 「囘は |
視 予 猶父也 |
予よを視みること 猶なほ父ちゝのごとく せり、 |
【(以下の文脈から子・弟子として見ない)私を なお父(ユウフ:本章から父同然の師)のように 遇して見ていたが、 |
予 不得 視 猶子也 |
予よの 視みること 猶なほ子このごとくするを 得えざるや、 |
私は(最期まで) なお子(猶子:猶父と対にした表現で高弟)のように みて やれなかった。 |
非 我也 |
我われに 非あらざるなり、 |
私は まだ猶お猶父では なかった。 |
(猶=同然(名詞と成句)と未然(字義)の掛詞。独自。 「なお…ごとし(まるで何々)」では未然を捨象し不適) |
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夫 二三子也 |
夫かの 二三子にさんしなり【か】。 |
彼はかの(葬式をした) 二三人の弟子の猶子だったのか。 |
※語尾は主語「回也」と対になる微妙な嘆き。 かの:①彼の(that)と②彼の(his)と同義の掛詞で、 「二三」は唯一と対照並列した並みの表現。独自。 孔子の意を継ぐ者は特別でもそれ以外華美を欲す】 |
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/國譯漢文大成 回くわいや 予われを視みること 父ちちの猶ごとくせり、 予われ 子このごとく視みることを 得えざりき。 我われにあらず、 夫かの二三子しなり |
×私を父のように思っていてくれた。 私も彼を自分の子供同様に葬ってやりたかったが、 それが出来なかった。 それは私のせいではない。 みんなおまえたちのせいなのだ。」 |