原文 実践女子大本 (定家本系筆頭) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
注釈 【渋谷栄一】 |
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返し、 | 返歌、 | 【返し】-一一七番歌の返歌。作者は大納言の君、源時通の娘の簾子。 |
うち払ふ | 上毛の霜をうち払い合う | |
友なきころの | 友のいないころの | |
寝覚めには | 夜半の寝覚めには | |
つがひし鴛鴦ぞ | つがいのように親しく過ごしたあなたを | 【鴛鴦】-歌語「鴛鴦」。仲睦まじい鳥。相手の紫式部を暗喩。 |
夜半に恋しき | 恋しく思われます | |
*「うちはらふともなきころのねざめにはつがひしをしぞ夜半に恋しき」(黒川本「紫日記」一二)
*「返し 従三位簾子
打ちはらふ友なきころのねざめにはつがひしをしぞ夜はにこひしき」(樋口芳麻呂氏本「新勅撰集」雑一 一一〇六)