原文 定家本 明融臨模本 |
現代語訳 (渋谷栄一) 各自要検討 |
注釈 【渋谷栄一】 各自要検討 |
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左馬寮の御馬、 | 左馬寮の御馬、 | |
蔵人所の鷹据ゑて賜はりたまふ。 | 蔵人所の鷹を留まり木に据えて頂戴なさる。 |
【賜はりたまふ】 :「鷹据ゑて」の「賜はり」は帝に対する敬語、「たまふ」は源氏に対する敬語。 「品々に」の「賜はり」は帝に対する敬語、「たまふ」は親王たち上達部に対する敬語。 |
御階のもとに親王たち上達部つらねて、 | 御階のもとに親王方や上達部が立ち並んで、 |
【御階】 :清涼殿の東庭に下りる階段。 |
禄ども品々に賜はりたまふ。 | 禄をそれぞれの身分に応じて頂戴なさる。 | |
その日の御前の折櫃物、 | その日の御前の折櫃物や、 | |
籠物など、 | 籠物などは、 | |
右大弁なむ承りて仕うまつらせける。 | 右大弁が仰せを承って調えさせたのであった。 |
【右大弁なむ承りて仕うまつらせける】 :先に「御後見だちて仕うまつる右大弁」とあった。 「仕うまつら」「せ」(使役の助動詞)「ける」(過去の助動詞)、右大弁が帝の仰せを承って人々に整えさせたのであった、の意。 |
屯食(奥入12)、 禄の唐櫃どもなど、 | 屯食や禄用の唐櫃類など、 | |
ところせきまで、 | 置き場もないくらいで、 | |
春宮の御元服の折にも数まされり。 | 東宮の御元服の時よりも数多く勝っていた。 | |
なかなか限りもなくいかめしうなむ。 | かえっていろいろな制限がなくて盛大であった。 |
【なかなか限りもなくいかめしうなむ】 :下に「ありける」などの語句が省略されている。語り手の口吻が感じられる文章。 |