原文 定家本 明融臨模本 |
現代語訳 (渋谷栄一) 各自要検討 |
注釈 【渋谷栄一】 各自要検討 |
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事にふれて 数知らず 苦しきこと のみ まされば、 |
何かにつけて 数知れないほど 辛いこと ばかりが 増えていくので、 |
【事にふれて】 :以下、視点は、桐壺更衣の様子から、帝の態度へと変じてゆき、上局の部屋を他に変えさせられた別の更衣の恨みが語られる。 |
いといたう 思ひ わびたるを、 |
たいそうひどく 思い 悩んでいるのを、 |
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いとど あはれと 御覧じて、 |
ますます お気の毒に おぼし召されて、 |
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後涼殿に もとより さぶらひ たまふ 更衣の 曹司を 他に 移させ たまひて、 |
後凉殿に 以前から ご伺候 なさっていた 更衣の 部屋を 他に 移させ なさって、 |
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上局に 賜はす。 |
上局として 御下賜あそばす。 |
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その 恨み まして やらむ方 なし。 |
その方の 恨みは なおいっそうに 晴らしようが ない。 |