即答 | 8首 | 40字未満 |
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応答 | 0 | 40~100字未満 |
対応 | 0 | ~400~1000字+対応関係文言 |
単体 | 2首 | 単一独詠・直近非対応 |
※分類について和歌一覧・総論部分参照。
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上下の句に分割したバージョン。見やすさに応じて。
なお、付属の訳はあくまで通説的理解の一例なので、訳が原文から離れたり対応していない場合、より精度の高い訳を検討されたい。
原文 (定家本校訂) |
現代語訳 (渋谷栄一) |
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299 贈 |
雪深み 深山の道は 晴れずとも なほ文かよへ 跡絶えずして |
〔明石〕雪が深いので 奥深い山里への道は 通れなくなろうとも どうか手紙だけはください、 跡の絶えないように |
300 答 |
雪間なき 吉野の山を 訪ねても 心のかよふ 跡絶えめやは |
〔乳母=宣旨の娘:明石姫君乳母〕 雪の消える間もない 吉野の山奥であろうとも 必ず訪ねて行って 心の通う 手紙を絶やすことは決してしません |
301 贈 |
末遠き 二葉の松に 引き別れ いつか木高き かげを見るべき |
〔明石〕幼い 姫君に お別れして いつになったら立派に成長した 姿を見ることができるのでしょう |
302 答 |
生ひそめし 根も深ければ 武隈の 松に小松の 千代をならべむ |
〔源氏〕生まれてきた 因縁も深いのだから いづれ一緒に暮らせるようになりましょう |
303 贈 |
舟とむる 遠方人の なくはこそ 明日帰り来む 夫と待ち見め |
〔紫上〕あなたをお引き止めする あちらの方が いらっしゃらないのなら 明日帰ってくる あなたと思ってお待ちいたしましょうが |
304 答 |
行きて見て 明日もさね来む なかなかに 遠方人は 心置くとも |
〔源氏〕ちょっと行ってみて 明日にはすぐに帰ってこよう かえって あちらが 機嫌を悪くしようとも |
305 独 |
入り日さす 峰にたなびく 薄雲は もの思ふ袖に 色やまがへる |
〔源氏〕入日が射している 峰の上にたなびいている 薄雲は 悲しんでいるわたしの喪服の袖の 色に似せたのだろうか |
306 贈:独 |
君もさは あはれを交はせ 人知れず わが身にしむる 秋の夕風 |
〔源氏→斎宮〕あなたもそれでは 情趣を交わしてください、 誰にも知られず 自分ひとりでしみじみと身にしみて感じている 秋の夕風ですから |
307 贈 |
漁りせし 影忘られぬ 篝火は 身の浮舟や 慕ひ来にけむ |
〔明石〕あの明石の浦の漁り 火が 思い出されますのは わが身の憂さを 追ってここまでやって来たのでしょうか |
308 答 |
浅からぬ したの思ひを 知らねばや なほ篝火の 影は騒げる |
〔源氏〕わたしの深い 気持ちを 御存知ないからでしょうか 今でも篝火のようにゆらゆらと 心が揺れ動くのでしょう |