章題 読み方 |
原文冒頭 | |
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概要※ | ||
1 |
清水冠者 しみずのかんじゃ |
寿永二年三月上旬に、兵衛佐と木曾の冠者義仲 |
寿永2年 (1183年) 源義仲は長男、清水冠者源義高を頼朝に人質に差し出し、頼朝と和睦。 | ||
1-2 |
北国下向 ほっこくげこう 異:清水冠者 |
さるほどに、木曾、東山北陸両道を従へて、 |
重盛の長男維盛ら6人を大将に、義仲討伐軍が出発。 | ||
2 |
竹生島詣 ちくぶしまもうで |
大将軍維盛、通盛は進み給へども |
清盛の弟平経盛(忠盛の三男)の長男、平経正は琵琶湖の竹生島に参詣し、琵琶をひいて明神を感動させた。 | ||
3 |
火打合戦 ひうちがっせん |
木曾義仲、身柄は信濃にありながら |
越前国火打城の戦いで、堀を枯らして平維盛軍は勝利。 | ||
4 |
願書 がんしょ |
木曾宣ひけるは、「平家は定めて大勢なれば |
義仲は砥波山の八幡神社に平家討伐の願書を奉納。 | ||
5 |
倶梨迦羅落/倶梨伽羅落 くりからおとし |
さるほどに源平両方陣を合はす |
倶利伽羅峠の戦い。夜に峠で義仲の軍勢はどっと鬨の声をあげる。平家はあわてて逃げ、「倶利伽羅が谷へわれ先にぞとおとしける。まっさきにすすんだる者が見えねば、「此谷の底に道のあるにこそ」とて、親おとせば子もおとし、兄おとせば弟もつづく。主おとせば家子郎等もおとしけり」となる。 | ||
6 |
篠原合戦 しのはらかっせん |
(木曾殿やがて)そこにて諸社へ神領を寄せられける |
加賀国篠原の戦いでも平家は敗北。 | ||
7 |
実盛/真盛 さねもり 異:実盛最期/実盛最後 |
また武蔵国の住人、長井の斎藤別当実盛 |
平家軍のしんがり、斎藤実盛が討ち取られた。年は70を過ぎていたが、年寄りに見られないよう、白髪を黒く染めていた。 | ||
8 |
玄肪/還亡 げんぼう |
上総守忠清、飛騨守景家は |
奈良時代の玄昉僧正の挿話。彼は藤原広嗣の怨霊に殺された。 | ||
9 |
木曾山門牒状 きそさんもんちょうじょう 異:木曾牒状幷返牒 きそちょうじょうならびにへんじょう |
木曾、越前の国府に着いて |
義仲から比叡山へ、平家追討に協力してほしいと牒状を送る。 | ||
9-2 |
返牒 へんちょう |
案のごとく山門の大衆、この状を披見して |
比叡山は義仲に味方する。 | ||
10 |
平家山門連署 へいけさんもんへのれんじょ 異:連署 |
平家はこれを知らずして |
平家からも比叡山に協力の要請をしたが、断られた。 | ||
11 |
主上都落 しゅじょうのみやこおち |
同じき七月十四日、肥後守貞能、鎮西の謀叛平らげて |
平家は都落ちを計画。後白河法皇は逐電。6歳の安徳天皇が都落ち。母の建礼門院(平徳子・清盛娘)と三種の神器も同行。 「主上は今年六歳、いまだいとけなうましませば、なに心もなう召されけり。国母建礼門院御同輿に参らせ給ふ」 |
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12 |
維盛都落 これもりのみやこおち |
平家の侍越中次郎兵衛盛嗣 |
重盛の長男維盛は富士川と倶利伽羅で大敗して帰った。平家で唯一、妻子を京に残して都落ち。 | ||
12-2 |
聖主臨幸 せいしゅりんこう 異:維盛都落 |
或いは聖主臨幸の地なり |
御所の警備役だった畠山重能ら3人は、解放され東国へ帰った。 | ||
12-3 | 異:忠度都落 | 去んぬる治承四年七月 |
13 |
忠度都落 ただのりのみやこおち |
薩摩守忠度は、いづくよりか帰られたりけん |
清盛の弟(忠盛の六男)薩摩守忠度は、文武両道の武士。都落ちするとき、藤原俊成(百人一首編者の藤原定家の父で和歌の権威)に歌を託した。 | ||
14 |
経正都落 つねまさのみやこおち |
修理大夫経盛の子息、皇后宮亮経正 |
清盛の弟経盛(忠盛の三男)の長男経正は、名器の琵琶「青山」を仁和寺に返して都落ち。 | ||
14-2 |
青山之沙汰 せいざんのさた 異:経正都落 |
この経正十七の年、宇佐の勅使を承つて下られけるに |
琵琶「青山」は唐伝来で、平安時代初めから朝廷の宝で、仁和寺に預けられていた。 | ||
15 |
一門都落 いちもんのみやこおち 異:池殿都落 いけどののみやこおち |
池大納言頼盛卿も、池殿に火かけて出でられけるが |
頼朝はかつて池禅尼の懇願で救命されたことから、彼女の子である平頼盛(忠盛の五男)は、頼朝に助命されるはずと判断し、都に留まった。 | ||
16 |
福原落 ふくはらおち |
平家は小松三位中将維盛の卿のほかは、 |
平家一門は福原で一泊後、福原を焼いて船で退去。「寿永二年七月廿五日に平家都を落ちはてぬ」 | ||
16-2 | 異:福原落 | 福原の旧都に着いて、大臣殿しかるべき侍ども、 |
※概要はWikipedia#平家物語の内容から引用。