俳 句 |
『おくのほそ道』 素龍清書原本 校訂 |
『新釈奥の細道』 |
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黒部四十八が瀬とかや、数知らぬ川を渡りて、 | くろべ四十八か瀨とかや數しらぬ川をわたりて | |
那古といふ浦に出づ。 | なごといふ浦に出づ | |
担籠の藤浪は、春ならずとも、 | 擔籠の藤浪は春ならずとも | |
初秋のあはれ訪ふべきものをと、 | 秋の哀とふへきものをと | |
人に尋ぬれば、 | 人に尋ぬれば | |
「これより五里磯伝ひして、 | これより五里ばかりつたひ一本五里磯づたひトアリ此ノ方正シカルベシして | |
向かうの山陰に入り、 | むかふの山陰に入り | |
蜑の苫葺きかすかなれば、 | 蜑の苫ぶき幽かなれば | |
芦の一夜の宿貸すものもあるまじ」 | 芦の一夜の宿かすものあるまじ | |
と、いひおどされて、加賀の国に入る。 | といひをどされて加賀のくにゝ入る | |
♪ 48 |
早稲の香や 分け入る右は 有磯海 | 早稻の香や 分入道は ありそうみ |