俳 句 |
『おくのほそ道』 素龍清書原本 校訂 |
『新釈奥の細道』 |
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露通もこの港まで出で迎ひて、 | 路通も此みなとまで出むかひて | |
美濃の国へと伴ふ。 | みのゝ國へと伴なふ | |
駒に助けられて大垣の庄に入れば、 | 駒にたすけられて大垣の庄に入れば | |
曾良も伊勢より来りあひ、 | 曾良も伊勢より來り合ひ | |
越人も馬を飛ばせて、 | 越人も馬をはせて一本馬をとばせてトアリ | |
如行が家に入り集まる。 | 如行が家に入りあつまる | |
前川子、荊口父子、そのほか親しき人々 | 前川子荊口父子その外したしき人々 | |
日夜とぶらひて、 | とぶらひて | |
蘇生の者に会ふがごとく、 | 蘇生の者に逢ふがごとく | |
かつ喜び、かついたはる。 | 且悅ひ且いたはる | |
旅ものうさもいまだやまざるに、 | 旅のものうさもいまだやまざるに | |
長月六日になれば、 | 長月六日になれば | |
伊勢の遷宮拝まんと、また舟に乗りて、 | 伊勢の遷宮拜まんとまた舟にのりて | |
♪ 66 |
蛤の ふたみに別れ 行く秋ぞ | 蛤の ふた見にわかれ 行秋ぞ |