俳 句 |
『おくのほそ道』 素龍清書原本 校訂 |
『新釈奥の細道』 |
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この所多太の神社に詣づ。 | 此所太田の神社に詣づ | |
実盛が甲、錦の切れあり。 | さねもりが甲錦の切あり | |
往昔、源氏に属せし時、 | 徃昔源氏に屬せし時 | |
義朝公より賜はらせ給ふとかや。 | 義朝公よりたまはらせ給ふとかや | |
げにも平氏のものにあらず。 | けにも平氏の物にあらず | |
目庇より吹返しまで、 | 目庇より吹返しまで | |
菊唐草の彫り物金をちりばめ、 | 菊唐草のほりもの金をちりばめ | |
龍頭に鍬形打つたり。 | 龍頭に鍬形打たり | |
実盛討死にの後、 | 貞盛討死の後 | |
木曽義仲願状に添へて、 | 木曾義仲願狀にそへて | |
この社にこめられ侍るよし、 | 此社にこめられ侍るよし | |
樋口の次郎が使ひせしことども、 | 樋口の次郞が使せし事共 | |
まのあたり縁起に見えたり。 | まのあたり緣起に見へたり | |
♪ 53 |
むざんやな 甲の下の きりぎりす | むさんやな 甲の下の きり〴〵す |