亭子の帝(宇多天皇) ♪♪右京の大夫(源宗于:三十六歌仙:百人一首28歌人) 僧都の君
亭子の帝に、 右京の大夫の詠みて奉りたりける。
♪44 あはれてふ 人もあるべく むさし野の 草とだにこそ 生ふべかりけれ
また、
♪45 時雨のみ 降る山里の 木の下は をる人からや もりすぎぬらむ
とありければ、 かへりみたまはぬ心ばへなりけり。 帝、御覧じて、 「なにごとぞ、これを心得ぬ」とて、 僧都の君になむ見せ給ひける と聞きしかば、かひなくなむありし、 と語り給ひける。