原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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剣池 |
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此之御世。 定賜。 海部。 山部。 山守部。 伊勢部也。 |
この御世に、 海部あまべ、 山部やまべ、 山守部やまもりべ、 伊勢部いせべを 定めたまひき。 |
この御世に、 海部あまべ・ 山部・ 山守部・ 伊勢部を お定めになりました。 |
亦作劍池。 | また劒の池を作りき。 | 劒の池を作りました。 |
新羅人と百済池:違いがわからない |
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亦新羅人 參渡來。 |
また新羅人しらぎひと まゐ渡り來つ。 |
また新羅人しらぎびとが 渡つて來ましたので、 |
是以建内宿禰命。 | ここを以ちて建内の宿禰の命、 | タケシウチの宿禰が |
引率。 | 引き率ゐて、 | これを率ひきいて |
爲役之堤池而。 | 堤の池に渡りて、 | 堤の池に渡つて |
作百濟池。 | 百濟くだらの池を作りき。 | 百濟くだらの池を作りました。 |
百済国主照古王 |
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亦百濟國主 照古王。 |
また百濟の國主こにきし 照古せうこ王、 |
また百濟くだらの國王 照古王しようこおうが |
以牡馬壹疋。 | 牡馬をま壹疋ひとつ、 | 牡馬おうま一疋・ |
牝馬壹疋。 | 牝馬めま壹疋を、 | 牝馬めうま一疋を |
付阿知吉師 以貢上。 |
阿知吉師あちきしに付けて 貢たてまつりき。 |
アチキシに付けて 貢たてまつりました。 |
〈此阿知吉師者。 阿直史等之祖〉 |
この阿知吉師は 阿直あちの史等が祖なり。 |
このアチキシは 阿直あちの史等ふみひとの祖先です。 |
亦貢上横刀及大鏡。 | また大刀と大鏡とを貢りき。 | また大刀と大鏡とを貢りました。 |