古事記 本牟智和氣~原文対訳

不得地玉作 古事記
中巻④
11代 垂仁天皇
サホ姫サホ彦兄妹物語
⑨本牟智和氣
サホ姫の遺言
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
亦天皇。  また天皇、  また天皇が
命詔其后。 その后に命詔みことのりしたまはく、 その皇后に仰せられるには、
言凡子名。 「およそ子の名は、 「すべて子この名は
必母名。 かならず母の名づくるを、 母が附けるものであるが、
何稱
是子之御名。
この子の御名を、
何とかいはむ」
と詔りたまひき。
この御子の名前を
何としたらよかろうか」
と仰せられました。
     
爾答白。 ここに答へて白さく、 そこでお答え申し上げるには、
今當火燒
稻城之時而。
火中所生。
「今火の
稻城いなぎを燒く時に、
火ほ中に生あれましつ。
「今稻の城を燒く時に
炎の中でお生まれになりましたから、
故其御名
宜稱
本牟智和氣
御子。
かれその御名は、
本牟智和氣
ほむちわけの御子みこ
とまをすべし」
とまをしたまひき。
その御子のお名前は
ホムチワケの御子と
お附け申しましよう」
と申しました。
不得地玉作 古事記
中巻④
11代 垂仁天皇
サホ姫サホ彦兄妹物語
⑨本牟智和氣
サホ姫の遺言