原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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即 曙立王。 菟上王。 二王。 |
すなはち 曙立あけたつの王 菟上うながみの王 二王ふたばしらを、 |
かようにして アケタツの王と ウナガミの王と お二方を |
副其御子 遣時。 |
その御子に副へて 遣しし時に、 |
その御子に副えて お遣しになる時に、 |
自那良戸。 | 那良戸ならどよりは | 奈良の道から行つたならば、 |
遇跛盲。 |
跛あしなへ、 盲めしひ遇はむ。 |
跛ちんばだの 盲めくらだのに遇うだろう。 |
二上ふたかみ山の | ||
自大坂戸 亦遇跛盲。 |
大阪戸よりも 跛あしなへ、 盲めしひ遇はむ。 |
大阪の道から行つても 跛や盲に遇うだろう。 |
唯木戸 是腋月之吉戸 ト而。 |
ただ木戸ぞ 掖戸わきどの吉き戸 と卜へて、 |
ただ 紀伊きいの道こそは 幸先さいさきのよい道である と占うらなつて |
出行之時。 | いでましし時に、 | 出ておいでになつた時に、 |
毎到坐地。 | 到ります地ところごとに | 到る處毎に |
定 品遲部也。 |
品遲部ほむぢべを 定めたまひき。 |
品遲部ほむじべの人民を お定めになりました。 |