原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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爾 日子國夫玖命。 乞云 其廂人。 先忌矢可彈。 |
ここに 日子國夫玖ひこくにぶくの命、 「其方そなたの人 まづ忌矢いはひやを放て」 と乞ひいひき。 |
ここに ヒコクニブクの命が 「まず、そちらから 清め矢を放て」 と言いますと、 |
爾其 建波爾安王 雖射。 不得中。 |
ここにその 建波邇安の王 射つれども え中てず。 |
タケハニヤスの王が 射ましたけれども、 中あてることができませんでした。 |
於是 國夫玖命彈矢者。 即射建波爾安王 而死。 |
ここに 國夫玖くにぶくの命の放つ矢は、 建波邇安の王を射て 死ころしき。 |
しかるに ヒコクニブクの命の放つた矢は タケハニヤスの王に射中いあてて 死にましたので、 |
故其軍 悉破而逃散。 |
かれその軍、 悉に破れて逃げ散あらけぬ。 |
その軍が 悉く破れて逃げ散りました。 |