原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
---|---|---|
故大毘古命。 | かれ大毘古の命、 | 依つて大彦の命は |
更還參上。 | 更に還りまゐ上りて、 | 更に還つて |
請於天皇時。 | 天皇にまをす時に、 | 天皇に申し上げた時に、 |
天皇答詔之。 | 天皇答へて詔りたまはく、 | 仰せられるには、 |
此者爲。 在山代國。 我之庶兄 建波邇安王。 〈波邇二字以音〉 起邪心之 表耳。 |
「こは 山代の國なる 我が庶兄まませ、 建波邇安 たけはにやすの王の、 邪きたなき心を起せる 表しるしならむ。 |
「これは思うに、 山城の國に赴任した タケハニヤスの王が 惡い心を起した しるしでありましよう。 |
伯父。 | 伯父、 | 伯父上、 |
興軍 宜行。 |
軍を興して、 行かさね」 とのりたまひて、 |
軍を興して 行つていらつしやい」 と仰せになつて、 |
即副 丸邇臣之祖。 日子國夫玖命 而遣時。 |
丸邇わにの臣おみの祖、 日子國夫玖 ひこくにぶくの命を副へて、 |
丸邇わにの臣の祖先の ヒコクニブクの命を 副えてお遣しになりました、 |