古事記 武烈天皇~原文対訳

1 仁賢天皇 古事記
下巻⑧~推古
(系譜のみ十帝)
2 武烈天皇
(ぶれつ)
3 継体天皇
目次
(長谷之列木宮)
后妃・皇子女
(片岡之石坏岡)
後継者(応神天皇五代孫)

 

武烈天皇(ぶれつ)

原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
     

宮(長谷之列木宮)

     
小長谷
若雀命。
 小長谷の
若雀の命、
 ヲハツセノ
ワカサザキの命(武烈天皇)、
坐長谷之
列木宮。
長谷の
列木なみきの宮にましまして、
大和の長谷はつせの
列木なみきの宮においでになつて、
治天下捌歲也。 八歳天の下治らしめしき。 八年天下をお治めなさいました。
     

后妃・皇子女

     
此天皇。 この天皇、 この天皇は
无太子。 太子ひつぎのみこましまさず。 御子がおいでになりません。
故爲御子代。 かれ御子代として、 そこで御子の代りとして

小長谷部也。
小長谷部をはつせべを
定めたまひき。
小長谷部おはつせべを
お定めになりました。
     

陵(片岡之石坏岡)

     
御陵在
片岡之
石坏岡也。
御陵は
片岡の
石坏いはつきの岡にあり。
御陵は
片岡の
石坏いわつきの岡にあります。
     

後継者(応神天皇五代孫)

     
天皇既崩。 天皇既に崩りまして、 天皇がお隱れになつて、

可知日續之王。
日續知らしめすべき
王ましまさず。
天下を治むべき
王子がありませんので、

品太天皇
五世之孫。
かれ
品太ほむだの天皇
五世いつつぎの孫みこ、
ホムダの天皇の
五世の孫、
袁本杼命。 袁本杼をほどの命を ヲホドの命を
自近淡海國。 近つ淡海の國より 近江の國から
令上坐而。 上りまさしめて、 上らしめて、
合於手白髮命。 手白髮たしらがの命に合はせて、 タシラガの命と結婚をおさせ申して、
授奉天下也。 天の下を授けまつりき。 天下をお授け申しました。

 

1 仁賢天皇 古事記
下巻⑧~推古
(系譜のみ十帝)
2 武烈天皇
(ぶれつ)
3 継体天皇