原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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又歌曰。 | また歌よみしたまひしく、 | また歌われた歌は、 |
意富岐美袁 | 大君を | わたしを |
斯麻爾波夫良婆 | 島に放はぶらば、 | 島に放逐ほうちくしたら |
布那阿麻理 | 船ふな餘り | 船の片隅に乘つて |
伊賀幣理許牟叙 | い歸がへりこむぞ。 | 歸つて來よう。 |
和賀多多彌由米 | 吾わが疊ゆめ。 |
わたしの座席は しつかりと護つていてくれ。 |
許登袁許曾 | 言をこそ | 言葉でこそ |
多多美登伊波米 | 疊と言はめ。 | 座席とはいうのだが、 |
和賀都麻波由米 | 吾が妻はゆめ。 |
わたしの妻を 護つていてくれというのだ。 |
此歌者。 | この歌は、 | この歌は |
夷振之 片下也。 |
夷振ひなぶりの 片下かたおろしなり。 |
夷振ひなぶりの 片下かたおろしです。 |