原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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天照大御神之 命以。 |
天照らす大御神の 命もちて、 |
天照らす大神の お言葉で、 |
豐葦原之 千秋 長五百秋之 水穗國者。 |
「豐葦原の 千秋ちあきの 長五百秋ながいほあきの 水穗みづほの國は、 |
「葦原あしはらの 水穗みずほの國くには |
我御子。 | 我が御子 | 我わが御子みこの |
正勝吾勝勝速日 天忍穗耳命之 所知國。 |
正勝吾勝勝速日 まさかあかつかちはやひ 天の忍穗耳おしほみみの命の 知らさむ國」と、 |
マサカアカツカチハヤヒ アメノオシホミミの命の お治め遊あそばすべき國である」 |
言因賜而。 | 言依ことよさしたまひて、 | と仰せられて、 |
天降也。 | 天降あまくだしたまひき。 | 天からお降くだしになりました。 |
於是 天忍穗耳命。 |
ここに 天の忍穗耳の命、 |
そこで オシホミミの命が |
於 天浮橋多多志 〈此三字以音〉 而詔之。 |
天の浮橋に立たして 詔りたまひしく、 |
天からの階段に お立ちになつて 御覽ごらんになり、 |
豐葦原之 千秋長五百秋之 水穗國者。 |
「豐葦原の 千秋の長五百秋の 水穗の國は、 |
「葦原の 水穗の國は |
伊多久 佐夜藝弖 〈此七字以音〉 有祁理 〈此二字以音下效此〉 |
いたく さやぎて ありなり」 |
ひどく さわいで いる」 |
告而。 | と告のりたまひて、 | と仰せられて、 |
更還上。 | 更に還り上りて、 | またお還りになつて |
請于 天照大神。 |
天照らす大御神に まをしたまひき。 |
天照らす大神に 申されました。 |