原文 |
書き下し (武田祐吉) |
現代語訳 (武田祐吉) |
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故爾遣 天鳥船神。 |
かれここに 天の鳥船の神を遣はして、 |
依つて アメノトリフネの神を遣して |
徴來八重事代主神而。 | 八重事代主の神を徴めし來て、 | コトシロヌシの神を呼んで來て |
問賜之時。 | 問ひたまふ時に、 | お尋ねになつた時に、 |
語其父大神言。 | その父の大神に語りて、 | その父の神樣に |
恐之。 | 「恐かしこし。 | 「この國は謹しんで |
此國者 立奉 天神之御子。 |
この國は 天つ神の御子に 獻たてまつりたまへ」といひて、 |
天の神の御子に 獻上なさいませ」と言つて、 |
即蹈傾其船而。 | その船を蹈み傾けて、 | その船を踏み傾けて、 |
天逆手矣。 | 天の逆手さかてを | 逆樣さかさまに手をうつて |
於青柴垣 打成而隱也。 〈訓柴云布斯〉 |
青柴垣 あをふしがきにうち成して、 隱りたまひき。 |
青々とした神籬ひもろぎを 作り成して その中に隱れてお鎭まりになりました。 |