| 原文 |
書き下し （武田祐吉） |
現代語訳 （武田祐吉） |
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| 於是詔之 | ここに詔りたまはく、 | そこで、 |
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上瀨者 瀨速。 |
「上かみつ瀬せは 瀬速し、 |
「上流の方は 瀬が速い、 |
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下瀨者 瀨弱而。 |
下しもつ瀬は 弱し」と詔のりたまひて、 |
下流かりゆうの方は 瀬が弱い」と仰せられて、 |
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初於 中瀨 随迦豆伎而。 |
初めて 中なかつ瀬に 降おり潛かづきて、 |
眞中の瀬に 下りて |
| 滌時。 | 滌ぎたまふ時に、 |
水中に 身をお洗いになつた時に |
| 所成坐神名 | 成りませる神の名は、 | あらわれた神は、 |
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八十禍津日神。 〈訓禍云摩賀。 下效此〉 |
八十禍津日 やそまがつびの神。 |
ヤソマガツヒの神と |
| 次大禍津日神。 |
次に大禍津日 おほまがつひの神。 |
オホマガツヒの神とでした。 |
| 此二神者。 | この二神ふたはしらは、 | この二神は、 |
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所到 其穢繁國 之時。 |
かの穢き 繁しき國に 到りたまひし時の、 |
あの穢い國に おいでになつた時の |
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因汚垢而 所成神之者也。 |
汚垢けがれによりて 成りませる神なり。 |
汚垢けがれによつて あらわれた神です。 |
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次 爲直其禍而 所成神名 |
次に その禍まがを直さむとして 成りませる神の名は、 |
次に その禍わざわいを直なおそうとして あらわれた神は、 |
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神直毘神。 〈毘字以音 下效此〉 |
神直毘 かむなほびの神。 |
カムナホビの神と |
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次 大直毘神。 |
次に 大直毘 おほなほびの神。 |
オホナホビの神と |
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次 伊豆能賣神 〈并三神也。 伊以下 四字以音〉 |
次に 伊豆能賣 いづのめ。 |
イヅノメです。 |
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次於 水底 滌時。 所成神名。 |
次に 水底みなそこに 滌ぎたまふ時に 成りませる神の名は、 |
次に 水底で お洗いになつた時に あらわれた神は |
| 底津綿〈上〉津見神。 |
底津綿津見 そこつわたつみの神。 |
ソコツワタツミの神と |
| 次底筒之男命。 |
次に底筒 そこづつの男をの命。 |
ソコヅツノヲの命、 |
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於中滌時。 所成神名。 |
中に滌ぎたまふ時に 成りませる神の名は、 |
海中でお洗いになつた時に あらわれた神は |
| 中津綿〈上〉津見神。 |
中津綿津見 なかつわたつみの神。 |
ナカツワタツミの神と |
| 次中筒之男命。 |
次に中筒 なかづつの男をの命。 |
ナカヅツノヲの命、 |
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於水上滌時。 所成神名。 |
水の上に滌ぎたまふ時に 成りませる神の名は、 |
水面でお洗いになつた時に あらわれた神は |
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上津綿〈上〉津見神。 〈訓上云宇閇〉 |
上津綿津見 うはつわたつみの神。 |
ウハツワタツミの神と |
| 次上筒之男命。 |
次に上筒 うはづつの男をの命。 |
ウハヅツノヲの命です。 |
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此三柱 綿津見神者。 |
この三柱の 綿津見の神は、 |
このうち御三方 おさんかたのワタツミの神は |
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阿曇連等之 祖神以 伊都久神也。 〈伊以下 三字以音 下效此〉 |
阿曇あづみの 連むらじ等が 祖神おやがみと 齋いつく神なり。 |
安曇氏 あずみうじの 祖先神 そせんじんです。 |
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故 阿曇連等者。 |
かれ 阿曇の連等は、 |
よつて 安曇の連むらじたちは、 |
| 其綿津見神之子。 | その綿津見の神の子 | そのワタツミの神の子、 |
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宇都志日金拆命之 子孫也。 〈宇都志三字以音〉 |
宇都志日金拆 うつしひがなさくの命の 子孫のちなり。 |
ウツシヒガナサクの命の 子孫です。 |
| 其 | その | また、 |
| 底筒之男命 | 底筒の男の命、 | ソコヅツノヲの命・ |
| 中筒之男命 | 中筒の男の命、 | ナカヅツノヲの命・ |
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上筒之男命 三柱神者。 |
上筒の男の命 三柱の神は、 |
ウハヅツノヲの命 御三方おさんかたは |
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墨江之 三前大神也。 |
墨すみの江えの 三前の大神なり。 |
住吉神社 すみよしじんじやの 三座の神樣であります。 |