古事記~神世七代 原文対訳

別天神 古事記
上巻 第一部
神世七代
(かみよななよ)
イザナギと
イザナミ
原文 書き下し
(武田祐吉)
現代語訳
(武田祐吉)
次成神名。  次に成りませる
神の名は、
 それから
次々に現われ出た神樣は、
國之常立神。 國の常立とこたちの神。 クニノトコタチの神、
〈訓常立亦如上〉    
次。
豐雲野神。
次に
豐雲野
とよくものの神。
トヨクモノの神、
此二柱神亦
獨神成坐而。
この二柱の神も、
獨神に成りまして、
 
隱身也。 身を隱したまひき。  
     
次成
神名。
次に成りませる
神の名は、
 
宇比地邇神。 宇比地邇
うひぢにの神。
ウヒヂニの神、
次。
妹須比智邇神。
次に
妹須比智邇
いもすひぢにの神。
スヒヂニの女神、
〈此二神名以音〉    

角杙神。
次に
角杙つのぐひの神。
ツノグヒの神、

妹活杙神。
〈二柱〉
次に
妹活杙
いもいくぐひの神
二柱。
イクグヒの女神、

意富斗能地神。
次に
意富斗能地
おほとのぢの神。
オホトノヂの神、


大斗乃辨神。
次に
妹大斗乃辨
いもおほとのべの神。
オホトノベの女神、
〈此二神名亦以音〉    

於母陀琉神。
次に
於母陀琉
おもだるの神。
オモダルの神、


阿夜訶志古泥神。
次に
妹いも
阿夜訶志古泥
あやかしこねの神。
アヤカシコネの女神、
〈此二神名皆以音〉    
     

伊邪那岐神。
次に
伊耶那岐
いざなぎの神。
それから
イザナギの神と


伊邪那美神。
次に
妹いも
伊耶那美
いざなみの神。
イザナミの女神とでした。
〈此二神名
亦以音如上〉
   
上件
自國之常立神以下。
上の件、
國の常立の神
より下しも、
この
クニノトコタチの神から
伊邪那美神
以前。
伊耶那美
いざなみの神
より前さきを、
イザナミの神までを
并稱
神世七代。
并はせて
神世かみよ
七代ななよ
とまをす。
神代七代
と申します。
     
〈上二柱。 (上の二柱は、 そのうち始めの
御二方おふたかたは
獨神
各云一代。
獨神
おのもおのも
一代とまをす。
お獨立ひとりだちであり、
次雙十神。 次に雙びます十神は ウヒヂニの神から以下は
各合
二神云一代也〉
おのもおのも
二神を合はせて
一代とまをす。)
御二方で一代でありました。
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