万葉集の歌の配置配分から、万葉の構造と編纂意図を見る。
万葉の編纂者:人麻呂と赤人。家持ではない。
人麻呂は古事記の安万侶。万侶で万葉。万侶=人麻呂(字形)。
つまり万葉集は万侶集。これが万葉の本質。
赤人が人麻呂没後、万葉を編纂したから、中核に厚い無名の人麻呂歌集がある。
憶良と家持は、人麻呂の精神(配置と記述)と全く相容れない。無名ではなく有名家名を重んじ、歌以外が日記調で冗長である。
山柿の門の「山」は、山上憶良と山部赤人と解する。
なぜ山が先かというとそれが家持時代の視点で、人麻呂を辿らない家持の視点だから(3969題詞)。
全体の配置(後掲表参照)
1~4巻:人麻呂の原万葉集
5巻:憶良歌集(まず赤人の兄弟子。しかし人麻呂を完全無視)
6巻~16巻:赤人による人麻呂中心の選歌集(憶良の忌避)
17巻以降:家持の付加、及び各巻各部への勝手な付加
それが以下に示される配置構造と、8巻の家持付加部分による四季の乱れ。
全巻一覧(語句検索用) 難解問題
巻 | 番号 | 数 | 割合 | 多 | 少 | Main | 特記 | ||
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一 | 84 | 1.9% | 1 | 柿 | 人麻呂妻 | ||||
二 | -234 | 150 | 3.3% | 柿 | 古事記89 | ||||
三 | -483 | 249 | 5.5% | 柿 | 末家持 | ||||
四 | -792 | 309 | 6.8% | 5 | 柿 | 末家大量 | |||
五 | -906 | 114 | 2.5% | 4 | 憶良 | 令和 | |||
六 | -1067 | 161 | 3.6% | 赤人 | 末福 | ||||
七 | -1417 | 350 | 7.8% | 4 | 柿◆ | ||||
八 | -1663 | 246 | 5.4% | 赤+憶 | +家 | ||||
九 | -1811 | 148 | 3.3% | 柿◆ | 末福 | ||||
十 | -2350 | 539 | 11.9% | 1 | 柿◆ | 花鳥風月 | |||
十一 | -2840 | 490 | 10.9% | 2 | 柿◆ | ||||
十二 | -3220 | 380 | 8.4% | 3 | 柿◆ | ||||
十三 | -3347 | 127 | 2.8% | 5 | 柿◆ | 古事記91 | |||
十四 | -3577 | 230 | 5.1% | 柿◆ | 東歌+防人 | ||||
十五 | -3785 | 208 | 4.6% | 柿 | 古歌 | ||||
十六 | -3889 | 104 | 2.3% | 2 | 竹取翁 | 末憶良 | |||
十七 | -4031 | 142 | 3.1% | 家持 | 平群女郎 | ||||
十八 | -4138 | 107 | 2.4% | 3 | 福麻呂 | 実質家持 | |||
十九 | -4292 | 154 | 3.4% | 家持 | |||||
二十 | -4516 | 224 | 5.0% | 家持 | 防人:部下 | ||||
※柿◆は人麻呂歌集。 |
巻 | 分類(原文の見出し区分) | ||||||
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一 | 雑歌(84首) | ||||||
二 | 相聞(56) 挽歌(94) | ||||||
三 | 雑歌(155) 譬喩歌(25)挽歌(69) | ||||||
四 | 相聞(309) | ||||||
五 | 雑歌(114) | ||||||
六 | 雑歌(161) | ||||||
七 | 雑歌(128) 譬喩歌(222) | ||||||
八 |
春 47(雜歌:相聞・30:17)19% 赤人 夏 46(雜歌:相聞・33:13)19% 赤人 ※家持の付加多し 秋125(雜歌:相聞・95:30)51% 憶良 冬 28(雜歌:相聞・19:9)11% 憶良 |
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九 | 雑歌(102) 相聞(29) 挽歌(17) | ||||||
十 |
春125(雜歌:相聞・78:47)23% 夏 59(雜歌:相聞・42:17)11% 秋316(雜歌:相聞・243:73)59% 冬 39(雜歌:相聞・21:18)7% |
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十一 |
古今相聞往来歌類上 柿:旋頭歌(17)正述心緒(47)寄物陳思(93)問答(9) 無名(赤人):正述心緒(103)寄物陳思(188)問答(20) 譬喩(13) |
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十二 |
古今相聞往来歌類下 柿:正述心緒(10)寄物陳思(13) 無:正述心緒(100)寄物陳思(137)問答歌(26) 柿:羇旅發思(53) 無:悲別歌(31)問答歌(10) |
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十三 | 雜歌(27)相聞(57)問答(18)譬喩歌(1)挽歌(14) | ||||||
十四 |
東歌(計219)(5)相聞(76)譬喩歌(9) 雜歌(17)相聞(112) 防人歌(計11)(5) 譬喩歌(5)挽歌(1) |
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十五 | ― | ||||||
十六 | 有由縁并雜歌 | ||||||
十七 | ― | ||||||
十八 | ― | ||||||
十九 | ― | ||||||
二十 | ― | ||||||
※巻構成は基本的に対をなしている。当然、原型は1~4巻である。 しかし家持主体の巻に分類は皆無。憶良も同様。 6巻は憶良の5巻を相殺する構造になっている。 |